【天皇賞】キズナ理想の馬体で大舞台へ
「天皇賞(春)・G1」(4日、京都)
3日の馬場入り前。首を大きく上下に振って、キズナは走りたい、という意思を伝えてきた。ただし、これはいつもの儀式と言っていい。栗東坂路を軽く1本駆け上がり、CWへ出てキャンター。予定していたメニューを黙々とこなす姿に、力みは見られない。CWの直線では、スピードを上げた他厩舎の馬に抜かれるシーンもあったが、冷静にやり過ごしてゴール板を通過。「本当に元気がいいですね。それに迫力もすごい。でもよく我慢してくれたと思います」。最終調整を見届けた佐々木師は、こう振り返って安堵(あんど)の表情を浮かべた。
光沢を放つ青鹿毛の馬体は、さらに研ぎ澄まされてきている。筋肉量を含め、全てにおいてスケールアップしているのだが、特徴的な伸びやかさは保ったまま。理想形へと成長を遂げた。「競馬の日は、とてもおとなしいんですよ。装鞍所でもピクッともしませんから。勝負ということをわきまえているのでしょう」。“やんちゃ”はこの日までで封印。決戦の朝には勝負師の顔になっているはず、と指揮官は話す。
充実の4歳春を迎え、進化したキズナが、いよいよ大舞台に立つ。再び凱旋門賞へ。この道は、ロンシャンへと続いている。
