【クイーンC】フォーエバー貫禄V

 「デイリー杯クイーンC・G3」(18日、東京)

 こんなところで負けてはいられない。阪神JF3着の実績が支持され、断然の1番人気に推されたフォーエバーモアが好位から抜け出す貫禄V。蛯名は前日の東京新聞杯(ホエールキャプチャ)に続く2日連続の重賞制覇となった。昨年暮れに先着を許した関西の強豪2頭へのリベンジを狙う桜花賞(4月13日・阪神)には直行の予定。“出世レース”で重賞初Vを決めた関東のエースが胸を張って西下する。

 いまだ雪が残る東京競馬場。“関東3歳牝馬トップの座は譲れない”とばかりに、1番人気のフォーエバーモアが完勝を決めた。過去10年の勝ち馬のうち5頭がG1ウイナーに輝いている出世レースで重賞初Vを達成。牝馬クラックへ向けて大きく弾みをつけた。

 前半1000メートル通過は61秒0。スローの流れの中でスタート直後は折り合いを欠いたものの、その後は2番手でスムーズに追走する。直線では懸命に追われる他馬を横目にラスト1Fまで馬なり。余裕しゃくしゃくの走りで楽々と抜け出した。

 蛯名は前日の東京新聞杯をホエールキャプチャで制しており、2日続けての重賞制覇。「もう少し折り合って運びたかったけど」と力みが見られた前半の走りを課題に挙げたが、「きょうは取りこぼせない一戦だと思っていたし、馬群に包まれたくはなかったので、スタートから出して行った。能力があるのは間違いない」と存分に力を見せつけたパートナーの能力を評価した。

 「勝たなければならないレース。プレッシャーはあったが、期待通りの強い競馬をしてくれた」。そう言って納得の表情を見せた鹿戸雄師は「これで“あの2頭”に堂々と挑戦できる」と胸を張った。

 この日の勝利で4戦3勝。唯一の敗戦となった阪神JFでは関西の強豪レッドリヴェール、ハープスターに先着を許した。当時は早めにスパートをかける強気な競馬で鼻、首差の3着に敗れたが、「この子も力をつけているし、いいレースをしてほしい」と指揮官は力を込める。桜花賞へは放牧を挟んで直行の予定。リベンジを誓い、残雪の東京から桜舞う阪神へと乗り込む。

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