【マイルCS】リアル無駄なし復権リハ

 「マイルCS・G1」(17日、京都)

 秋のマイル王へ、堀厩舎の“2本の矢”が最終追い切りで競演した。リアルインパクトは美浦Wで3頭併せ。ダークシャドウに半馬身先着を許したが、迫力十分の動きで万全の仕上がりをアピールした。11年安田記念V時と同じ戸崎圭を背に再び頂点へ駆け上がるか。ダークも天皇賞・秋を回避した影響は皆無。英国の名手・ムーアの手綱さばきにも注目だ。なおこの日、出走馬18頭が確定。枠順は15日に決まり、馬券は16日に前日発売が行われる。

 約2年半の時を経て本物の輝きが戻ってきた。グレード制導入後(84年以降)では初となる、3歳での安田記念Vを成し遂げたリアルインパクト。当時の鞍上・戸崎圭とのコンビ再結成を起爆剤に上昇カーブを描き始めたG1ウイナーが、再度の頂点奪取を目指す。

 仕上がり切っているからこそ、無駄な動きは一切しない。美浦Wでの3頭併せはサトノプライマシー(4歳1600万下)、ダークシャドウ(6歳古馬オープン)を目標に直線は最内へ。ラストは外のダークが仕掛けて半馬身先着したとはいえ、リアルも抜群の手応えでサトノと併入。4F53秒0‐38秒1‐12秒3をマークした。

 1週前にダークと同じく美浦Wで6Fから濃密な併せ馬を消化しており、この日はあくまで息を整える程度の調整。手綱を取った戸崎圭は好感触を口にする。「前走時より素軽さが出た感じ。フットワークが軽い。ええ、きょうも申し分ない手応えでしたよ」と状態面に太鼓判を押した。

 11年6月に安田記念を制したあとは勝ち星がゼロ。スランプに陥ったが、今夏の休養で復活の兆しが見えた。「牧場としっかり打ち合わせをしながら立て直しに成功。前走時の追い切りで“いいころに戻ってきたな”と感じました」と堀師は言う。秋の始動戦となった富士Sで2着。結果が全てを物語る。

 くしくもその一戦で手綱を取ったのが、安田記念でVに導いた戸崎圭。自身初の中央G1制覇を飾った思い入れの深い一頭と、再び歓喜の瞬間を夢見る。「あの時は大観衆のなかでウイニングラン。幸せでしたね。また勝ちたい」とダイワメジャー以来、10頭目の“安田記念&マイルCS制覇”へ意気込んだ。

 今年3月に地方から中央所属となり、10日にJRA年間100勝を達成。移籍週からの37週連続勝利は、安藤勝己元騎手(35週)の記録を今なお更新中だ。秋は記録ラッシュの腕達者が、余勢を駆ってJRA騎手としてのG1初Vをここで決める。

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