【キーンランドC】パドトロワ一番時計

 「キーンランドC・G3」(25日、函館)

 アイビスSD10着からの巻き返しを誓い、パドトロワが21日、函館ダートでパワフルな動きを披露した。単走で5F64秒6の一番時計を記録。このレース連覇を決めて、サマースプリントシリーズの連覇にも王手をかけたい。函館Wでは、目下4連勝中のストレイトガールが強行軍の疲れを感じさせない動き。またアイビスSD2着のフォーエバーマークは函館芝を軽やかに駆け抜け、それぞれ万全の態勢をアピールした。

 昨年の覇者パドトロワが躍動した。勝浦を背に単走で、水曜の函館ダートで一番時計となる5F64秒6をマーク。上がりも3F37秒5‐12秒3と仕掛けられてからの反応は鋭い。前走のアイビスSDでは10着に敗れたが、そのショックを感じさせず、力感に富む伸び脚を発揮した。

 「十分な時計が出た。新潟からの転戦になるけど、ここまでは順調にきている」と鞍上はうなずく。鮫島師も「5Fで64秒台を出しながらも、しまいはシャープな動きだった。昨年もいい状態だったが、体の柔らかみは今年の方がある」と出来の良さを強調した。連覇に向けて視界は良好だ。

 中間から新たな試みを取り入れている。近くに湯の川温泉がある函館競馬場は日本で唯一、馬の温泉があり、滞在中は水、金、日曜に1回15分ほどの“入浴タイム”を設けた。金山助手は「入浴中はリラックスしているし、疲労回復になると思っている」と説明。当地でしかできない調整法。この温泉効果がパワーの源になるかもしれない。

 サマースプリントシリーズは先週までに4戦が終了。ポイント争いは現時点で2位につけており、首位ハクサンムーンとは4ポイント差だ。ここを勝てば10ポイントが加算され、2年連続のシリーズ王者となる可能性が高まってくる。トレーナーは「スプリンターズS(9月29日・中山)という大きな目標はあるが、2年連続でシリーズの頂点に立つことも目標のひとつ。いい結果を期待している」と力を込める。今回は4戦2勝と相性のいい舞台に加えて、斤量も前走比2キロ減の57キロ。逆襲Vを決める条件は整っている。

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