【宝塚記念】ジェンティル2馬身先着

 「宝塚記念・G1」(23日、阪神)

 ド迫力のパフォーマンスを見せつけた。昨年の年度代表馬ジェンティルドンナが12日、栗東坂路で1週前追い切りを行った。併せた僚馬を一気に突き放して2馬身先着。ドバイシーマクラシック2着以来の騎乗となった岩田も、満足感をにじませた。ゴールドシップは栗東に滞在中の内田博を背に、坂路で併せ馬。右ステッキ3発で気合を入れられると、きっちり先着を果たした。

 これが最強牝馬の走りだ。ジェンティルドンナは、岩田を背に栗東坂路でベストウォーリア(ユニコーンS出走)と併せ馬。序盤はお互いが馬場の内外に離れての登坂だったが、残り400メートルを切ると一変。まるで獲物をとらえるかのように、外ラチ沿いを走る僚馬に接近した。ただし、2頭が並んだのは、ほんの一瞬。鞍上の肩ムチを合図にギアチェンジすると、矢のような伸びで最後は2馬身突き放した。

 4F51秒9‐37秒9‐12秒4は、この日全体で3番目に速いタイム。51秒台が3頭と、時計が出やすい馬場状態ではなかったことを考えれば、出色の数字だ。前走のドバイシーマクラシック2着以来の騎乗だった岩田は「ドバイの時よりも数段パワーアップしている。けさも速い時計で、結構な上がりを出したけど、ケロッとしていた。馬に余裕がある。充実しているんじゃないかな」と自然と声が弾む。

 国内復帰戦でオルフェーヴルと対戦する。鼻差で白星を手にした昨秋のジャパンCは相手が“凱旋門賞帰り”だった。今回は逆の立場となるが「去年は去年。今年は今年。ただ、オルフェやから最初から負けるとは思っていない。挑戦者の気持ちで気を引き締め、レースまでに完璧な状態に持っていって、完璧なレースをするだけ」と力強く言い切った。

 追い切りを見届けた石坂師も「いいと思います。しっかり負荷もかけられたしね。順調に調教を消化できています」と合格点を与える。帰厩後は、日に日に状態を上げている4冠牝馬。G1・5勝目に向け、さらなる上昇カーブを描いていく。

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