【ボート】奇跡の71歳!加藤峻二V

 「JCN埼玉杯」(25日、戸田)

 ボート界の最年長選手、加藤峻二(71)=埼玉・5期・B1=が大記録を樹立した。25日、戸田の最終日12Rで優勝戦に出走して、3コースから差して優勝。高塚清一が持つ65歳10カ月の最高齢の優勝記録を71歳2カ月で更新。ボートレースの枠を超えて、公営競技史上で最年長の優勝記録となった。

 地元水面で打ち立てた大記録。加藤が3コースから差しハンドルで優勝をつかんだ。優勝戦には24歳の選手が2人、さらに27歳の選手も1人。これからのボート界を支える若手らを打ち破っての71歳2カ月での優勝は、今年1月に高塚清一が、とこなめで記録した65歳10カ月を大幅に上回る。もはやボート界だけにとどまらない公営競技史上での最年長記録だ。

 優勝戦は2136・45の進入隊形。1Mを差してバックストレッチ並走から、2Mを先マイ。これで大勢は決した。金字塔を打ち立ててピットへ帰還すると、開口一番に「えらいことやっちゃったな」と笑顔を見せる。もちろん、勝てば記録になることは知っていた。だが、「そういうのは全然意識しないんでね」と平常心で臨んでいた。「だって、そうでしょ?いつも優勝しているならともかく、最近は優勝なんてしてないんだから。記録が出るとは思わないもん」と、おどけて見せた。自身にとっては02年12月のびわこ以来のV。通算120回目の美酒が、歴史的な勝利となった。

 同じシニア世代に元気を与える記録でもあるだろう。それでも「メッセージ?僕なんて全然そんなんじゃないよ」と照れ笑いしながらも「一生懸命にやっていれば、いいことがあるね。少しは自信になるよ」とシワの刻まれた目を細めた。今後は多摩川(4月6~9日)を経て「G1・名人戦」(4月16~21日・びわこ)へ“現役レジェンド”は戦いを続ける。

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