【シンザン記念】トップ雪辱果たした

 「シンザン記念・G3」(6日、京都)

 昨年JRAリーディング1位に輝いた浜中に導かれ、1番人気エーシントップが、今年最初の3歳重賞で2つ目のタイトルを獲得した。昨年の優勝馬ジェンティルドンナ、一昨年2着のオルフェーヴルがここをステップに3冠を制覇。先々はセントジェームズパレスS・英G1への参戦も視野に入れるこの馬も、大きな飛躍が期待される。2着に9番人気ヘミングウェイ、3着にはタマモベストプレイが入った。

 初めての敗戦を味わった朝日杯FS8着の雪辱を、出世レースで見事に果たした。1番人気エーシントップが持ち前のスピードを発揮して重賞2勝目。昨年、デビュー6年目でJRAリーディングジョッキーを獲得した浜中が幸先良く、今年の初勝利を重賞で飾った。

 力を信じる鞍上に迷いはなかった。絶好の(2)番枠からハナを奪うと、内に敷き詰められたグリーンベルトの上で人馬の呼吸はぴったり。懸命に逃げ込みを図ったゴール前では、内を突いて伸びるヘミングウェイに首差まで迫られたが、最後まで逆転劇を許さなかった。

 会心の勝利に浜中の表情も緩む。「スムーズに先手が取れたし、折り合いは大丈夫でした。後ろから迫ってきたのは分かっていたので、最後は祈る気持ち。力のあるところを証明できた。スピードがあるのがいいところですね」と相棒をたたえた。自身の今季初Vには「最初の週で勝てるのと勝てないのとでは違う。重賞で1つ勝って落ち着きました。昨年の成績に恥じないように、自分をもっと高めていきたい」と気持ちを引き締めた。

 08年から6年連続での重賞勝利となった西園師も胸をなで下ろす。「前走はG1でリズムを崩してしまった。普通にレースをすればスピードは一番だと思っていた」と、鞍上に全てを託した。レース前には、浜中がかつて所属していた坂口正大元調教師から声をかけられた。「“頼むな”と言われました。浜中も師匠の愛情にはぐくまれてここまできた。もっと大きくなってG1を獲らせて欲しい」とコンビのステップアップを望んだ。

 今後は「スプリングS(3月17日・中山)か、NHKマイルC(5月5日・東京)路線になるか。オーナーと相談して」と明言を避けたが、その先には英国遠征のプランもある。自慢のスピードで、頂点へと突き進むのみだ。

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