【マイルCS】アポロン復活連覇だ

 「マイルCS・G1」(18日、京都)

 栄光を再び‐。昨年の優勝馬エイシンアポロンが、07年ダイワメジャー以来、5年ぶり6頭目となる連覇へ向けて虎視たんたん。4戦連続の2桁着順と近況はさえないが、現状打破へ向けて、今回は馬具を工夫して刺激を与えるつもりだ。体調は決して悪くないだけに、ガラリ一変する可能性は十分。昨年の安田記念馬リアルインパクト、同年の桜花賞馬マルセリーナも、久々の勝利へ向けて復調ムードを漂わせている。

 歓喜の輪に包まれた瞬間から、はや1年。淀のマイルで太陽のような輝きを放ったエイシンアポロンが、今ではまるで別馬のようにもがき苦しんでいる。こんなはずはない。昨年の覇者として、当然このままで終われるはずがない。

 歯車が狂い始めたのは今年2月。招待を受諾していたドバイデューティフリーの前哨戦として位置付けていた中山記念を、左背中の筋肉痛で回避。海外遠征を辞退し、立て直しを余儀なくされた。春の2戦はその影響を引きずって、マイラーズC14着、安田記念15着。気持ちを切り替えて、秋のリベンジを誓った。

 ところが、一度狂った歯車は簡単には元に戻らない。秋初戦の毎日王冠は出遅れが響いて12着。続くスワンSも見せ場はつくったものの、直線で失速して14着に大敗…。この結果には、松永昌師も「ジョッキーは“春よりも具合はいい”と言っているんだけどね。それなのになかなか結果が出ない」と首をかしげる。

 4戦連続2桁着順という屈辱を味わいながらも、馬体の張りは上々。相変わらず調教の動きも抜群だ。7日の1週前追い切りでは、栗東坂路をパワフルに駆け上がり、4F53秒3‐38秒1‐12秒2を記録。指揮官は「理想は500キロ台前半。だから、前回(8キロ増の514キロ)の馬体増は誤算だった。今度は絞れていると思う。しまい重点で動きも良かった」と、素軽さを増した姿を見て力強くうなずいた。

 絞れてシャープになった今回は、さらにカンフル剤を注入。集中力アップを見込んで、初めてチークピーシーズを装着する。担当の中野厩務員は「前走を見ていても、最後は自分から(走るのを)やめている感じ。気持ちの問題だと思う。刺激になれば」と実戦での効果を期待する。策が功を奏せば、実力的に激変しても驚けない。

 過去9頭が連覇にチャレンジして5頭が優勝。得手不得手がはっきりしている淀のマイル戦は、連動性のあるカテゴリーだ。また、パワー勝負を好むアポロンに追い風。週末にかけて天気は下り坂だ。「持ち時計がないからね。できれば降ってほしい」と指揮官は馬場悪化を歓迎する。失地回復へ、まずは、チークピーシーズを装着した(水曜の)最終リハの動きに注目だ。

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