【天皇賞】ルーラー人馬不安“一走”

 「天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)

 国内外のタイトル奪取へ‐。宝塚記念2着以来となるルーラーシップが24日、4カ月ぶりを感じさせない軽快なデモで好仕上がりをアピールした。騎乗したメンディザバルの感触も上々。自身も菊花賞のレース中に脱臼した、肩に対する不安がないことを笑顔で強調した。本格化を迎えた良血馬が、研究熱心なスペイン人に導かれ、いよいよ国内G1初制覇を決める。なお、出走馬および枠順はきょう確定し、馬券は26日に一部ウインズで発売される。

 軽快リハで全ての不安を振り払った。4カ月ぶりのルーラーシップは栗東CWで3頭併せ。真ん中のトーセンパワフル(2歳500万下)を0秒3、外のハーキュリーズ(4歳1000万下)を0秒6追走してスタートした。最内から馬体を並べたのは残り3F。手綱を押さえられたままの馬なりでゴール板を迎え、5F70秒8‐40秒5‐11秒6をマークした。ただ、そこからの“締め”が角居流だ。フィニッシュラインを越えてから、しっかりとハミがかけられ、ルーラーは鋭い反応で鞍上の指示に応えた。

 メンディザバルにとっては昨年の有馬記念以来となる久々のコンタクト。当時の感触と比較して、「より大人になって落ち着いていた。状態がいいのも手綱から伝わってきた」と確かな成長と仕上がりの良さを感じ取る。パートナーの特徴は十分に把握済みだ。「長く脚を使うタイプではなくて、ギアチェンジが速くてスッと伸びる」。そんな適性を見抜いているからこそ、コース変わりにも期待を寄せる。「有馬記念が行われた中山は直線が短くて、追い掛ける前に4着で終わった。直線の長い東京の方がいいと思う」と力を込めた。

 自身は短期免許スタート週となった、先週の菊花賞でスカイディグニティとコンビを組み2着に奮闘。ただ、直線で予期せぬアクシデントが襲った。右肩脱臼‐。ゴール前は懸命に追ったが、レース後は痛みに顔をゆがませて救急車で病院に運ばれた。フランスで落馬したときに脱臼しており、今回で2回目。11月末のジャパンCのあとフランスに戻って手術をする予定だったが、本人もG1で再発するとは夢にも思っていなかったという。「どうってことないよ」とサラリと交わす鞍上はその対策も万全だ。フランスの担当医とも話し合い、必要以上に腕が上がらないようプロテクターを着用して挑む。

 スペインが生んだ腕達者は勉強家でもある。過去のレースから、ライバルまでDVDを何度も見て研究。「オルフェーヴルは強いから。そのオルフェに宝塚記念で負けたのは仕方がない」。そう言って宝塚記念を振り返り「3歳馬に強いのがいると聞いているけど、ルーラーシップが一番強いと思っている」と自信の表情を見せた。

 馬の仕上げが万全なら、鞍上の肩も心配無用。「勝ちたいと強く思う」。フランスリーディングに4度輝いた、青い目のG1ハンターが良血馬をVへと導く。

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