【天皇賞】ブラックヒル無敗天皇賞馬へ

 「天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)

 史上初の“無敗の天皇賞馬誕生へ‐。ハイレベルの大混戦となった秋の盾争いだが、主役を張るのはデビューから5戦5勝と快進撃を続ける3歳馬カレンブラックヒルだ。秋初戦の毎日王冠では、初対戦の古馬を撃破。キャリア6戦目、無敗での古馬G1制覇となれば、史上2頭目の快挙となる。秋盾では4例目となるダイワメジャーとの父子制覇も成し遂げ、新たな歴史の扉を開く。なお22日、JRAはレース当日に天皇皇后両陛下が、東京競馬場へ行幸啓されることを発表した。

 破竹の勢いだ。春にNHKマイルCを制し、3歳マイル王となったカレンブラックヒルは、秋初戦となった毎日王冠も突破。デビューから無傷の5連勝で勇躍、古馬伝統の秋G1へ参戦する。一戦一戦、着実に力をつけ、満を持して狙うG1・2勝目。平田師は「前走後も落ち着いているよ。今のところ本当に順調にいっている」と、前向きな姿勢を崩さない。

 初めて古馬と激突した前哨戦が圧巻だった。

 約5カ月ぶりの実戦の上に、初体験となる芝1800メートルでの戦い。道中は逃げるシルポートを見る形で好位を追走し、じっくりと脚をためた。府中の長い直線で満を持してゴーサイン。最初は反応の悪さを見せたが、エンジンがかかると、さすがはG1馬だ。後続の強襲を力でねじ伏せた。

 「久々のせいかピリピリしたところがなかったな。反応が悪かったのはそのせいと思うけど」。そう指揮官が振り返る、いかにも休み明けのムードながらも勝ち切ったあたりに勝利の価値が増す。G1馬を含む、並み居る歴戦の古馬相手の快勝劇に「初の距離だったのに、あのメンバー相手に対応したのは大きいよな」と胸を張った。

 担当する西口厩務員は「大きくは変わらないけど、骨が太くなった気がするな。背がグッと伸びたと言うより、骨格がガッチリしてきた」と証言。ここまでの成長ぶりに手応えを口にする。21日には栗東CWで5F73秒1‐43秒7‐13秒5を馬なりでマーク。中2週のレース間隔を意識したソフトな内容だったが「(調教を担当する助手の)小林君も“いい”と言ってくれた」と調整は順調そのものだ。

 勝てば史上初の無敗の天皇賞馬が誕生。デビュー6戦での古馬G1制覇も最少キャリアとなり、さらに無敗となれば、史上2頭目の快挙となる。まさに記録ずくめの一戦。結果次第では香港国際諸競走(12月9日・シャティン)など海外にも夢は広がっていく。さらに相手が強化されるなどハードルは高いが、トレーナーは「前に行く馬だし、目標にされるだろうな。ただ、この馬のいつもの競馬をするだけ」と自然体を貫く。秋競馬で存在感を増し続ける3歳勢の大将格が、歴史的Vで新たな伝説を刻む。

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