「おひとりさま終活」関心あっても備えは4人に1人 大切なのは「見える化」と「対話」
一人暮らしの高齢者数は男女とも増加傾向にあり、総務省によると、令和2年には男性約231万人、女性約441万人となっている。今後も増加が見込まれ、令和22年(2040年)には男性約356万人、女性約540万人となることが予測されている。一人暮らしとなったとき、人生の最後をどう迎えるのか-。終活に関するトータルサポートを提供する一般社団法人終活協議会/想いコーポレーショングループはこのほど、10~90代の男女767人を対象に「おひとりさま終活」に関するアンケート形式の意識調査を実施、結果を公表した。
将来的に「おひとりさま」になる可能性について、「強く(32.5%)」と「少し(38.2%)」を合わせた70.7%が「意識している」と回答。多くの人が単身の将来を現実的に見つめている。
「おひとりさま終活」についても55.6%と半数以上が「考えている」と回答。実際に身元保証人や緊急連絡先についての準備では、27.9%が「すでに準備している」と答え、43.6%が「これから準備したい」と回答した。
最も不安に感じることは「金銭面の不安(33.8%)」で、「死後の手続きや遺品整理(30.9%)」「孤独死への不安(19.7%)」「入院や施設入居時の保証人問題(15.6%)」と続いた。
身元保証サービスについて、「詳しく知っている」はわずか6.0%で、「名前だけ知っている(48.1%)」「知らなかった(46.0%)」と、まだまだ認知度は低い。
終活について78.5%が「特に取り組んでいない」と答え、「エンディングノート作成」は11.3%、「財産整理」も6.6%だった。
将来的な終活サービス利用では、「ぜひ利用したい(13.0%)」に対し、「興味はあるが検討中」が59.8%と大多数。まだ判断を迷っている層が多く、情報の明確化や安心できるサポート体制が求められている。
「おひとりさま終活」で最も大切だと思うことは「情報をまとめておくこと」が38.5%で最多。次いで「家族・知人と話しておくこと(37.5%)」。自己完結型の備えよりも、他者との連携や情報整理の重要性が意識されている。「見える化」と「対話」が終活のカギと言えるだろう。
また、終活サービスへの関心は高くても、知識が不足すると行動にブレーキがかかるため、正しい情報提供が求められている。サービス提供側には、わかりやすく実用的な情報発信が今後さらに重要となる。
(よろず~ニュース調査班)
