小林亜星さんの公認アニソンリサイタル 名曲を子門真人、ささきいさお、ヒデ夕樹らのものまねで披露

 昭和文化に関する造詣が深いものまね芸人・剣持光(44)が来年2月、今年5月に死去した作曲家・小林亜星さんにスポットを当てたライブ「アニメソングメモリアルリサイタル~小林亜星の世界」を横浜市内で開催する。小林さんが手がけたアニソンの特色、歌手の子門真人、ささきいさお、ヒデ夕樹の声色に寄せる際の心構えを聞いた。

 特撮ソング、アニソン界が華やかになったのは1970年代。「マジンガーZ」や「秘密戦隊ゴレンジャー」のスーパー戦隊シリーズを手がけた渡辺宙明、「ゲッターロボ」「ドカベン」や仮面ライダーシリーズで活躍した菊池俊輔、「ルパン三世」「キャプテン・フューチャー」の大野雄二らスター作曲家が誕生した。60年代から活躍した小林亜星さんは、その先駆けだった。剣持は力説する。

 「レナウン『ワンサカ娘』(61年)でアメリカンポップスを持ち込み、童謡調が多かったCMソングを変えたのが亜星さんでした。アニメソングでも日本で最初のスター作曲家であり、さまざまなジャンルを手がけています。『狼少年ケン』(63年)ではマンボ、『魔法使いサリー』(66年)ではディキシーランド・ジャズ、『ひみつのアッコちゃん』(69年)のエンディング曲ではロックンロールを紹介しています。また、俳優やクイズ解答者、コメンテーターなどマルチタレントとしての活躍も特筆に値します」

 剣持が今夏に出版した「ヒデ夕樹とテレビまんが主題歌の黄金期」で掘り下げたヒデ夕樹は小林亜星さん作曲の日立CMソング「日立の樹」(この木なんの木)などを歌っており、小林夫人がかつてヒデのマネジメントに携わっていた縁もあり、同ライブは生前の事務所だったアストロミュージック出版から公認を受けた。

 ライブではヒデが歌唱した「快傑ライオン丸」「ブロッカー軍団マシーンブラスター」、子門真人が担った「科学忍者隊ガッチャマン」「ファイヤーマン」、ささきいさおの「宇宙大帝ゴッドシグマ」など、小林亜星さんのアニソン名曲を、得意の歌声ものまねを駆使して披露する。曲のコーラス部分を再現するため、女性コーラス隊を編成するなど、ライブのクオリティーを上げる工夫を行った。ものまねレパートリーの一部である子門、ヒデ、ささきのコツを聞いた。

 「子門真人さんは『まみむめも』を『みゃみみゅめみょ』と、『らりるれろ』を『りゃりりゅれりょ』とする声をよく聞きますが、私は違います。口角を大きく開け、喉を少し締め、頭蓋骨の内側に声を反響させるように歌います。ヒデ夕樹さんはとにかく渋く歌うことが大切で、低音は渋く歌うのですが、高音は大げさなくらいシャウトするように心がけています。ささきいさおさんは技法ではありません。低音で歌いながら、心の中に小宇宙を思い描き、男のロマンやおとこ気を意識しています」

 技術論と精神論が混在するが、雑誌編集、映像制作を経た後、36歳でものまね芸人に転身した剣持光。20代に通ったタレント養成所で培ったボイストレーニングと、幅広い経歴が現在の活動に生かされている。来年2月のライブは40人限定の完全予約制。申し込み方法や開演時刻などの詳細は、主宰するケンケンクリエイトのホームページまで。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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