ＣＢＣ・ＴＢＳ系情報番組「ゴゴスマ～ＧＯＧＯ！Ｓｍｉｌｅ！～」（月～金曜、後１・５５）でＭＣを務める石井亮次アナウンサー（４４）が、フリー転身２年目で、日本の“お茶の間の顔”に着実に近づいている。２０１３年４月にＣＢＣのローカル放送で始まった「ゴゴスマ－」だが、今年３月から地元・関西でも放送が始まり、ほぼ全国放送に。「しゃべりながら死んでいきたい」と話す石井の、しゃべくり愛の原点に迫った。

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　フリーとなり２年目、飛躍の年だった。中京圏のローカル番組だった「ゴゴスマ」も、いまや５大都市を含む３９都道府県で放送中。石井は試行錯誤しながらも、コロナを誠実に報道し続けた年だと振り返る。

　「東京で緊急事態宣言が出るとタレントさんが名古屋に来られないので、今年のオンエアの大半はリモート。トークが約７０分あるので、難しさはありました。リモートのプラス面を探しながら、そろりそろりやっていた１年間ですね。同じスタジオで同じ空気を吸っていると、あうんの呼吸でできるんです。大変だった分、普通がありがたいというのをすごく感じて、今はよりやりがいを感じています」

　そんな“危機”でも番組は好調。要因は「コロナで全員に関係ある情報になったので、皆さん興味を持って見ていただいた」と話す。時間をたっぷり使って、東国原英夫（６４）らとニュースを視聴者と同じ目線で議論する姿が、午後のお茶の間の心をつかんでいる。

　重視するのは“誰でも理解できる番組”であることだ。

　「よく令和時代は『優しさが…』と言われますけど、僕の優しさは『優』じゃなくて『易』。優しさにつなげるために、日々わかり“易”くしゃべろう、画面見てない人にも伝わるように“易”しく話そうというのは強く思っています」

　１０月の衆議院総選挙では、ＴＢＳ「選挙の日２０２１」で、東京の生放送報道番組出演を達成。１２月にはテレビ大阪の特番「もしものマネー道　もしマネ」（１９日、後２・００）で地元・関西ローカル初ＭＣを担当する。バラエティーでは憧れだったタモリ（７６）、笑福亭鶴瓶（６９）、明石家さんま（６６）、松本人志（５８）らと共演を果たし、「一緒の空気を吸えるのが、非常に良い栄養分」と顔がほころぶ。

　着々と日本の“お茶の間の顔”へとステップアップしているが、石井は「まだまだ！全然でしょ。毎日、今日より明日、明日よりあさってっていう思いでやってるだけなんですよね。年２５０回の『ゴゴスマ』と、その他の番組が月２～３回で２０～３０回。それで成長できているんじゃないかと思っています」と、謙遜しつつ充実感をにじませた。

　しゃべることが大好きだと語る姿からは想像がつかないが、幼少期は「ひたすら暗い子供」だったという。しかし、小学３年生の時に出会ったラジオ実況が運命を変えた。

　「昭和６０年、阪神が日本一になった時に、実況のまねをして『バース、掛布、岡田が～』と言って教室でウケた。根暗な少年が一気に花開いて、アナウンサーになりたいという夢のかけらをつかんだ。だから阪神タイガースが教えてくれた、人生を」

　そのかけらを磨いて磨いて、名古屋の地でアナウンサーとなった。育ててくれたＣＢＣには「中継ロケ、司会、ニュース読み、ラジオ番組…全部やらせてもらったんで、すごく足腰を鍛えていただいた。だからこそ『ゴゴスマ』を広めたい。どの番組でも『ゴゴスマ石井』って言いたい、系列は違っても。最近は『ゴゴスマ石井』っていう芸名なんかなって」と感謝は尽きない。

　今の夢は「一生おしゃべりの仕事を続けていける環境があること」だという。「しゃべりながら死んでいきたい。しゃべりを磨きたいという根源的な欲求がある、古舘（伊知郎）さんのような人でありたい」と将来を描く。

　愛する“しゃべくり”で人生を全うするために－来年は勝負の年だ。

　「フリーになると『まずは１周する』って言うんですよ。まずはどんなやつか使ってみようと。２周目に入れるかが実は大きなポイント。コロナとかあったので、この年度末が１周目のゴールで、２２年の４月から２周目だと思ってるんですよ。２周目に入れるかっていうチャレンジの年になるのかなと思う」

　「ラジオのレギュラーも持ちたい、テレビの番組も持ちたい、仕事は何でもしたい。言うてくれるんであれば全部やりたい、いつでもウエルカムと思っております」と不敵に笑った。仕事の大小も、媒体も関係ない。しゃべり続けられるのなら、どこまでも。

　◆石井亮次（いしい・りょうじ）１９７７年３月２７日生まれ、大阪府東大阪市出身。同志社大学文学部卒。スポーツアナウンサーを志望し、２年間の就職活動を経て、２０００年４月に中部日本放送（現ＣＢＣテレビ）に入社。２０年３月末で退社しフリー転身。「ゴゴスマ～ＧＯＧＯ！Ｓｍｉｌｅ！～」はＣＢＣ在籍時の１３年４月から中京ローカルで放送開始。１５年３月から関東でも放送され、着々と放送圏を拡大。今年３月からは関西でも放送されている。