ジョン・レノン氏の息子、父が抱いていたザ・ビートルズへの複雑な心境を推察「名声への愛を失ったんだと思う」
ジョン・レノン氏の息子ショーン・オノ・レノン(49)が、BBC ラジオ 6ミュージックのインタビューで父の晩年の心境について語った。
「彼が音楽への愛を失っていたとは思わない。ある種の名声への愛を失ったんだと思う。ポップ・ミュージックという機械の一部にならなければならないという、そういう状況に愛着が持てなくなっていたんだと思う。彼は常にその枠組みの中で反抗的だったけれど、ある意味ではビートルズの一員でいなければならないことに、わだかまりを感じていたんだと思う。彼は本当にそこから抜け出したいと思っていたんだろう」
1970年のビートルズ解散後、ジョン氏は妻オノ・ヨーコとの関係を通じて、より「急進的な芸術家・活動家」としての道を模索していた。1972年のマディソン・スクエア・ガーデンでの「ワン・トゥ・ワン」チャリティコンサートは、同氏がソロとして有料で行った唯一のフルライブであり、音楽への情熱が健在だった証とも言える。
同時期の未発表音源やライブ音源を収めたボックスセット「パワー・トゥ・ザ・ピープル」のプロモーションの一環として、インタビューに応じたショーンは、ジョン氏とヨーコによるアルバム「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」が酷評されたことについても触れ、「あれは成長の痛みだった」と表現。即興的で粗削りな録音スタイルと、強い政治的メッセージが当時のリスナーには受け入れられにくかったとしつつ、「ロックンロールの精神が宿っていた」と父の姿勢を肯定した。
