ジョン・レノン&オノ・ヨーコ 未発表90トラック含む12枚組ボックスが10・10発売 息子ショーン「本当に衝撃的な経験」
元ビートルズのジョン・レノンと妻のオノ・ヨーコが米ニューヨークで過ごした最初の数年間の活動を深掘りした12枚組(CD9枚、ブルーレイ3枚)ボックスセット「パワー・トゥ・ザ・ピープル」(スーパー・デラックス・エディション)が、10月10日にリリースされることが14日夜、発表された。
プロデュースはジョンとヨーコの息子ショーン・オノ・レノンと、グラミー賞を5度受賞した彼のチームが担当。最近では「マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)」のアルティメイト・コレクションで、今年のグラミー賞の最優秀ボックス・セット/スペシャル・リミテッド・エディション・パッケージ賞を受賞している。
スーパー・デラックス・エディションには90トラックの未発表音源を含む123トラックを収録。1969年のベッド・インの際に録音されたプラスティック・オノ・バンドの「平和を我等に」、1972年の「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」の新ヴァージョン、同年にNYのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた、ジョンがビートルズ解散後にフルで行った唯一のライブにして、ジョンとヨーコが同じステージで演奏した最後のイベント「ワン・トゥ・ワン・コンサート」の音源、未発表のデモ音源、宅録音源、ジャム・セッション、ライヴ音源、各曲の特別なミックスなどが収められる。
ヨーコは「“ワン・トゥ・ワン・コンサート”は、私たちの”草の根政治”の取り組みの一環だった。あれは、ジョンと私が強く信じていた”平和と啓蒙のためのロック”を体現したものだった。そしてあのマディソン・スクエア・ガーデン公演は、ジョンと私が一緒に演奏した最後のコンサートになった。”Imagine Peace”、”Peace is Power”、”Power To The People!”」と本作の序文につづっている。
ショーンは「両親のアーカイヴに残された未発表音源を初めて耳にしたことは、僕にとって本当に衝撃的な経験だった。父が話す音源を聴いたり、父の姿を見たりするのが僕にとってどれほど特別なことか、世間の皆さんは分かっていないのかもしれない。僕は、皆さんにもおなじみの写真や音声だけを見聞きして育ってきた。だから、初めて出会う素材を見つけることは、僕にとってすごく重要な意味を持っている。それは、父と一緒の時間を過ごせているような気分になれるからだ。僕が11歳のとき、母は『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』のアルバムと映像を世に出した。だから僕は、成長期にあのアルバムをよく聴いていた。父の最後のコンサートになったあのライヴは、僕の頭の中で特別な位置を占めている。そういうわけであのライヴに関してはポール・ヒックスやサイモン・ヒルトンと一緒にたくさんの時間をかけて、ライヴ感のある雰囲気を残しつつ、全体の音をできる限りクリーンにする最良のバランスを探った。そして音声の修復を担当したサム・ガノンは、細部にまでこだわった驚異的な仕事をしてくれた。僕らの駆使した技術をすべて明かすつもりはないけれど、ある種の”映画のような魔法”が必要だったとでも言っておこう。とにかく最終的には、あのコンサートをこれまでで最高のサウンドに仕上げられたと思う」とコメント。
スーパー・デラックス・エディションは、銀箔(ぎんぱく)を使用したタイトル部分と、ジョンとヨーコの顔が重なり合うことで3D効果を生み出すレンチキュラー・プリントのカヴァーが特徴的な10インチの特注スリップ・ケースに収納される。
ハードカバーの204ページのブックは新旧のインタビューから集められた関係者の証言を通じて収録楽曲にまつわる歴史をくまなくひもとく内容で、未公開の写真、歌詞、イラスト、テープの箱や関連の品なども掲載。ポスター、ステッカー・シート、VIP用封筒が付属。封筒にはコンサートチケット、バックステージ・パス、アフターショー・パスのレプリカが収められる。
