『スター・ウォーズ』出演の人気俳優が死去、享年87歳

 映画「スター・ウォーズ」シリーズでピエット提督を演じた英国の俳優ケネス・コリーが、6月30日、ケント州アシュフォードにて87歳で逝去した。転倒による腕の負傷で入院後、新型コロナウイルスに感染し肺炎を併発。最期は友人たちに見守られながら穏やかに息を引き取ったという。

 1937年12月7日にマンチェスターで生まれたケネスは、1961年にレスターのレパートリー劇場で舞台裏スタッフとしてキャリアを開始。ロンドンのオールド・ヴィック、ロイヤル・コート、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなど名門劇団で研鑽を積み、60年にわたる多彩な演技歴を築いた。

 映画では『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)および『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)でダース・ベイダーの旗艦「エグゼクター」の司令官ピエット提督を演じた。

 また、風刺映画『モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン』ではイエス・キリスト役を演じ、ケン・ラッセル監督作品やBBCの『尺には尺を』ではウィーン公爵役など、舞台・映像を問わず幅広い役柄で存在感を放った。

 晩年も『ホルビー・シティ』や『ドクター・フー』特別編などに出演。2016年にはBBCドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』第3シーズンでヴィンチェンテ・チャングレッタ役を務めた。

 私生活では園芸や美術品収集、スポーツカーへの情熱を持ち、2014年にはロンドンのコックピット・シアターで『ゴドーを待ちながら』のエストラゴン役を演じたことを「最も愛した役」と語っていた。

 「スター・ウォーズ」ファンの間では今なお愛され続ける存在であり、世界各地のイベントにも招かれていた。英国演劇界が誇る名優の訃報に、多くのファンと関係者が深い哀悼の意を表している。

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