倉本聰さんお別れの会 北海道富良野の森に約3000人が参列 白基調の祭壇を前に代表作「北の国から」の出演者たちが涙

 「北の国から」「前略おふくろ様」などの人気作を数多く手がけ、9月18日に多臓器不全のため91歳で死去した脚本家の倉本聰(くらもと・そう 本名・山谷馨=やまや・かおる)さんのお別れの会が3日、拠点とした北海道富良野市の富良野演劇工場で行われ、約3000人が参列した。「北の国から」の主要キャストだった俳優の岩城滉一(75)、竹下景子(73)らも来場。芸能界の師と仰ぐ倉本さんに最後の別れを告げた。主人公の娘・蛍役を演じた中嶋朋子(55)は、自身の希望でスタッフとして会の運営に携わった。

 倉本さんがこよなく愛した富良野の森が“フィナーレ”の会場となった。倉本さんが設計段階から関わり、富良野市中心部からやや離れた豊かな自然の中に2000年にオープンした劇場には、全国から多くのファンが駆けつけた。

 代表作「北の国から」の主要キャストでは、主人公一家と家族ぐるみで交流し、大きな影響を与えた「草太兄ちゃん」役の岩城、主人公・黒板五郎の元妻の妹「雪子おばさん」役の竹下らが参列。遺影に向かい、最後の言葉をかけた。

 芸能人では“一番乗り”で祭壇の前に姿を見せた岩城は、数秒間立ったまま遺影を見つめ、静かに献花。「特別な人。全てが倉本先生から授かったというか。ギフトとしてもらった」と深く感謝し、「ずいぶん悪いことしてきたけど、先生だけはいつも味方してくれた」としみじみ語った。

 訃報を聞いた瞬間には「走馬灯のようにいろいろ駆け巡った」とし、受け入れるのに時間がかかったという。倉本作品の魅力を「先生の番組やって、本読みして以来、他の番組出るのイヤになってきちゃって。それが答え」と力説した。

 約7年ぶりに富良野を訪れたという竹下は、祭壇の前で思わず涙。報道陣の前でも「やっぱり先生は空の上に行ってしまわれたんだな…って」と話し、涙をぬぐった。

 倉本さんを「全てにおいての、本当に心から先生と呼べる。大きな先生でしたね」とし、久々に倉本さんが拠点とした場所に戻ってきたことで「先生、まだいらっしゃるなと思いますね。ここに来れば、どこかで先生の息遣いが感じられる」と努めて笑顔を見せた。

 主人公一家として、倉本さんと最も長い間接した中嶋は、あえて参列者ではなく、スタッフとして会に参加。会場で参列者にあいさつをする姿や、旧知の関係者と笑顔で話す姿が見受けられ、祭壇を見つめて涙を浮かべる場面もあった。

 「北の国から」撮影時には、自宅に俳優陣を招いて食事や酒を楽しむのが恒例だったという倉本さん。名伯楽が最も愛した家族たちが、それぞれの思いで見送った。

 祭壇は白を基調として作られ、トルコギキョウ、カスミソウ、コチョウランなど1000本が使用された。その上には3枚の写真を掲出した。

 中央には12年9月に行った地元企業人との対談で撮影したカットを、向かって左には04年に韓国の人気ドラマ「冬のソナタ」を手がけたユン・ソクホ監督が富良野を訪問した際、愛車で案内した時の写真を、右には97年に大阪で舞台「今日、悲別で」「ニングル」を連続公演した際にプロモーション用で使用した写真をそれぞれ掲載したという。

 会場内では「北の国から」などの倉本作品に起用されたテーマ曲や挿入曲をBGMとして流しており、倉本さんが劇場内で使用していた私物も公開された。

 ◆舘ひろし(1999年NHK「玩具の神様」で主演)「もし“倉本学校”があるとしたら、僕は本当に出来の悪い生徒だった。細かい部分に厳しいと聞いていたけど、『舘くん、セリフは適当でいいよ』と言われて…。こいつには無理だと思ったんじゃないのかな。でも、すごくかわいがってもらいました」

 ◆小野武彦(NHK大河「勝海舟」など倉本作品に多く出演)「僕は51年前に俳優を諦めて、来月から別の職場が決まっていたという時に先生から一本の電話(「勝海舟」へのオファー)があって、それで51年間続けることができた。本当に感謝してもしきれないぐらいの恩人です」

 ◆清水美砂(倉本さんの生前最後の作品となった映画「海の沈黙」に出演)「残念で仕方ありません。最後にお会いしたかった。天国から見ていただいて『よくやったね』と一言いただけるように頑張りたいです」

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