元NMB48・川上千尋 今はまだ俳優“研究生” 「東京に阪神がなさすぎ」虎党らしく上京後の悩みも

 元NMB48の川上千尋(27)が俳優としてまい進中だ。昨年12月にグループを卒業し、活動の「第2章」が幕を開けた今は「本当に『研究生』のような気持ちでずっといられてる」と新人の心構えで全力投球中。表現者として新たな1歩を踏み出し、22日にオリジナル曲「あいことば」、29日に「ゼロから咲く」を2作連続で配信する。当初は「全くなりたくなかった」というアイドル人生をなぜ13年間も歩み続けることができたのか。虎党らしい上京後の悩みにも触れながら、新曲にも込めた「これまで」と「これから」を語った。

 卒業から7カ月。再び「研究生」となった川上の胸中には自信と不安が入り交じっていた。「次に進める自信があったからアイドルを卒業したけど、それが打ち砕かれる瞬間や、何者でもないなって思う瞬間が結構あった」。卒業から間もなく舞台の稽古が始まり「安心感がすごくあった」と吐露。「今思えば一歩一歩だけど俳優になれてるのかな」とかみしめる。

 アイドル人生の「これまで」と、俳優としての「これから」。その思いを2曲に込めた。自らの「ソロ曲がなかった」ことが製作のきっかけで、「あいことば」では卒業時に書き下ろした新たな門出への決意とファンヘの感謝を、「ゼロから咲く」では俳優として歩み始めたリアルな心情と覚悟をつづった。作詞作曲にも初挑戦。あふれ出る言葉をまとめることに苦労したが、完成すると「意外と短い文でも気持ちは伝わるもんなんだなと思った」と笑う。

 25日には大阪市のHEPホールでリリースイベントも開催する。60分間のライブステージだけに「アイドルに戻りたくなるのでは?」と問うと「戻りたいとは思わない」と断言。アイドルは「やり切った」という確かな実感があった。

 芸能界入りを決意した当初は「アイドルは全くなりたくなかった」という。

 「理由がやばいけど、モデルさんとか俳優さんになりたくて他の事務所を受けてたんですよ。で、合格したけどレッスン料金が高すぎて辞めて…。無料のところを探したらNMBだったんです(笑)」

 意外なきっかけで飛び込んだアイドルの世界。「入ってみたら好きなことだったから長く続いたと思う」と全力で駆け抜けた13年間は今の自分の礎となっている。これまでは「暇があったら涼みに行っていた」大阪の劇場も「いちいち電話しないと入れない場所」に。「難波が庭じゃなくなった」と卒業を実感した瞬間も語り、苦笑いした。

 俳優転身に伴い今年から上京。大阪とは対照的な「いい意味で人に干渉しない」東京の空気に「ようやく慣れた」一方で、虎党ならではの寂しい事実が発覚。「東京に阪神がなさすぎ。テレビでもやってないし」。身近だった猛虎との距離が遠くなったことは、川上の野球愛をさらに強くした。

 セ・リーグ首位を走る阪神の戦いぶりは「前を向ける」自らの大きな支えだ。「いやー森下(翔太選手)やばい。プロ野球速報を開けばすぐに『森下ホームラン』みたいなの出てるし、高橋(遥人)選手もやばい。ファンが望んでたシーズンがやっと来たなって感じ」と熱弁。球団発行誌で連載中の“虎党の女神”らしく「リーグ優勝もまた見たい」と期待を込める。

 今後も阪神に関わる仕事は「どんどんしたい」とし、「作品としても野球系をやりたい」と意欲。現在は舞台を中心に活躍の場を広げているが、「目指してるのはもっと大きな場所」とさらなる高みを見据えている。

 「私の理想像が高畑充希さん。舞台も映像のお芝居でも、存在感ある俳優さんになりたくて『私が必要だよ』って言ってくださる人が増える人生を送っていたいですね」

 今はまだ俳優“研究生”。「その肩書はいつ外れるのか」をたずねると「ね!どうなんですかね」と笑いつつ「でも今年で外したい」ときっぱり。アイドル人生の全てを武器に、俳優としてもセンターまで上り詰める。

 ◆川上千尋(かわかみ・ちひろ)1998年12月17日生まれ。大阪府出身。2012年12月に4期生としてNMB48に加入し、13年2月に公演デビュー。22年9月リリースの「好きだ虫」で初センターを務めた。25年12月に卒業。小学生の頃にマット・マートン氏の本塁打を目撃し、大の虎党に。阪神の球団発行誌「月刊タイガース」で「ちっひー虎の虫」を連載中。現在は俳優として舞台を中心に活躍。憧れは高畑充希。身長154センチ。特技はフィギュアスケート(ジャンプ可能)。

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