筧利夫 熱海移住で変化した役者観 「前よりも難しく考えるようになった」 初の井上ひさし作品出演には「責任の取りがいがある」
俳優の筧利夫が19日、大阪市内で主演舞台「国語事件殺人辞典」(3月7~29日、東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA、4月4、5日、大阪・新歌舞伎座など)の取材会に登場した。
井上ひさしさん作で、言葉の多様性が失われていく過程を辞書編纂を通して描く同作。筧は美しい日本語だけの国語辞典を作るために旅に出た国語学者・花見万太郎を演じる。井上さんの作品に出演するのは初めてで「これは挑戦のしがいが、責任の取りがいがある、と思いますね」と、意気込む。
筧は60歳を機に東京から熱海へ移住。「今の方が前よりも難しく考えるようになりました。昔は考えないような細かいことまで」と、役者業に対する考えの変化を語る。「家から余計なビルも見えないし、情報が少なくなったんだと思いますね。東京に住んでいると、歩いているだけで恐ろしい情報が入ってくるので、頭パンパンになっていたんでしょうね。今は緑の山しか見えない」と、自らの見解を語り、「昔から考えろよって話なんですけど」と、笑った。
井上さんとは面識がないという筧だが、「最近知った話」として、裏話を明かした。かつて出演したつかこうへい作「飛龍伝’90 殺戮の秋」が読売文学賞を受賞した際のこと。「その時の審査員が井上さんだった。『この作品がこの賞を取らなくて、何のための賞なんだ』と仰っていたというのを聞いた。やっぱり何か関係はあるんだな」と、感慨深げに語った。
