河合優実「ふてほど」への思い語った 続編がSPドラマで4日復活「すごく恩に感じています」
略称「ふてほど」が2024年の新語・流行語大賞に選ばれるほどの社会現象となったTBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」が、4日にスペシャルドラマ「新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~」(後9・00)として復活する。昭和と令和の価値観のギャップを描いた作品で、作品の中心人物・純子を演じた俳優・河合優実(25)にとっても大きな影響を与えた。このほど、ブレーク真っただ中の実力派に作品への思いを直撃。SNSへの向き合い方など、ミステリアスな素顔にも迫った。
たたずまいや話し方には年齢以上の落ち着きが漂い、大人びた上品さがにじむ。強烈な印象を残した、いかにも昭和な「スケバン・純子」の姿を思い浮かべると、そのギャップに改めて驚かされる。俳優としての振り幅を目の前で実感した。
純子は、昭和から令和へとタイムスリップし、コンプラ度外視の不適切発言を連発する主人公(阿部サダヲ)の娘。連続ドラマは続編を予感させる結末だっただけに「もう一度純子を演じられるかもという期待はありました」と回想。続編への喜びを口にする一方、自身でも特殊という役柄なだけに「ちゃんと戻ってくるのかなという不安はありました」というが、現場に立てば「阿部さんに起こされたみたいな感覚があって。ちゃんと自分の中に残っていました」と笑顔。役が抜けることはなかった。
河合にとって「ふてほど」は、特別な思いがある作品だという。「本当にたくさんの人に知ってもらうきっかけになった作品ですし、そこはシンプルにすごく恩に感じています」。キャリアにおける転機であったことを、静かにかみしめる。
作品の反響と歩調を合わせるように、この2年間は出演作が途切れなかった。ドラマや映画などを合わせて24年は9作、25年には「あんぱん」で朝ドラ初出演も果たすなど8作に出演。その数字に自身は「えぇ、そうか…」と人ごとのように苦笑い。「それこそ“不適切”の連ドラが放送されてからこの2年間ぐらいは止まらずに走ってるなって感じでしたね」としみじみ振り返った。
ブレークにもほどがある活躍ぶりだが、自身は「ちゃんと休む」ことを強く意識している。「じゃないとやっぱりもたない。頑張れると思って馬力だけでやっちゃうと、絶対よくないことが起こる予感があって」。自分を長く保つための距離感を冷静に見極めている。
その姿勢は私生活の整え方にも表れている。同世代では珍しく、俳優になった当初からSNSはやっていない。「自分がどう見られるかを作品以外で作らなきゃいけない場所になるので、今は考える余裕がないかもって感じですかね(笑)」。
それ故のミステリアスな印象にも自覚がある。「多分、素顔というのが分かりづらいと思うけど、私はそれでもあまり今のところ支障はないし、本当はどういう人かって会わなきゃ分からないと思うので、会った人とだけちゃんと向き合って一緒にお仕事をしていく方が今は性に合っているかなと思う」。昭和と令和の価値観のズレを描いた「ふてほど」と重なるように、河合自身もまた確かな軸を持っている。
連ドラが24年1月期に放送されたのと同様、今年も「ふてほど」で幕を開ける。抱負を問うと「皆さんに楽しんでもらえる作品を届けたいという気持ちは変わらない」ときっぱり。また「あんぱん」と「ふてほど」で結果的に昭和の時代感は一通り網羅した中、次に挑戦したい時代を尋ねると「考えたこともなかったです」と驚きつつ「明治や大正あたりはすごく気になります」と答えた。
「江戸や戦国は作品も多いけど、そこから昭和につながるまでどうやって近代になっていったんだろうって。どうやって今の私たちにつながっているのかは気になるかもしれないですね」。時代の連なりに笑顔で思いを巡らせるその姿は、純子同様の探究心に満ちあふれていた。
◇河合 優実(かわい・ゆうみ)2000年12月19日生まれ。東京都出身。高校時代はダンスに打ち込み、表現の魅力に目覚めて自ら現所属事務所に履歴書を送付。19年にデビュー。22年に「由宇子の天秤」など8本の映画に出演し、多くの新人賞を網羅。「第48回日本アカデミー賞」最優秀主演女優賞、「第67回ブルーリボン賞」主演女優賞など受賞歴多数。「不適切にもほどがある!」の活躍ぶりなどで「第33回橋田賞」新人賞、「第49回エランドール賞」新人賞も獲得。166センチ。
