林家三平 父・初代三平の生誕100年で本音 年齢並び「父からバトンを受け継いだ気持ち」完コピ「よしこさん」も披露
落語家の二代目林家三平(54)が30日、東京・浅草演芸ホールで行われた特別講演「昭和の爆笑王 初代林家三平生誕100年祭」に林家ペー、お笑いコンビ・ハンジロウ、ミュージシャンの細野晴臣と出演した。
1980年9月20日に54歳で亡くなった父である初代の生誕100年を記念した公演。三平は「生誕100年を祝える人間は林家三平しかおりません」とし「祝ってもらえるのはうちの父とモーツァルトとベートーベンくらい」と笑わせた。
この日は、高座にスクリーンが設置され、晩年の初代の映像も流れた。昭和の爆笑王らしくいつ見ても色あせない軽妙な語り口で、観客からはすぐに笑いが起こった。
三平は初代の代名詞とも言えるリズム落語「よしこさん」を披露。アコーディオンの演奏を背に「どうもすみません」という口癖や、手を頭に置くといったクセまで、完コピーしてみせた。
その仕上がり具合を自らは「父の方が小話の回転の持ってきかたがうまい。これは否めない。おやじ(のレベル)にまだまだいけない。肩を並べることもできない」と厳しく評価。「もっともっと独自なもので作ってくしかないと思った。難しい」と反省も口にした。
初代は亡くなって月日がたった今もファンの間で語り継がれている。「今でも『お父さんのファンでした』って言われて悔しいんですよ。『俺じゃないんだ』って」と本音も吐露。それでも「父のことを愛してくれてる方がいるってことは本当にうれしい」とし、「父の音源はそれほどない。でも皆さんの記憶の中に生きてるんで『三平ってまだ生きてるよね』って言われるけど、まさにその通りなんですよね」としみじみ語った。
三平自身は今年、初代が亡くなった年齢を迎えた。年齢としては肩を並べ「私の子供は私が45の時に生まれて。父が45歳の時に私は生まれてる」と意外な共通点も説明。「私の年で言うと父は今年の9月20日に亡くなってる」と表現し「だからまさにそのままの“リレー”なんで、私の人生はまだ続いてるわけですから父からバトンを受け継いだ気持ちなんですよ」ときっぱり。「それをまた次の世代に渡していかなきゃいけない重責をひしひし感じてる」といい、「そういうものを後世に伝えていく役目はあるかなって改めて感じる」と決意を新たにした。
初代が亡くなって100年という節目。細野とのトークコーナーでは、もし今生きていたら何をしているのか、という話題も。三平は「何やってるんですかね。相変わらずですけど、ぺーさんより面白いと思う」とニヤリ。続けて「“あっち”行くしかないですよね」と穏やかに語っていた。
