丸山圭子「歌える限り」歌い続ける 大ヒット曲「どうぞこのまま」発売から50年 3年ぶりニューアルバムを25日リリース

 大ヒット曲「どうぞこのまま」で知られるシンガー・ソングライターの丸山圭子(71)が25日に3年ぶりのニューアルバム「彩色兼美」をリリースし、発売記念ライブを4都市で開催する。「どうぞこのまま」発売から50年目の今年、長年客員教授を務めてきた洗足学園音楽大学を3月に定年退職するというターニングポイントを迎えた丸山に、教職への思いや、洗練されたシティポップ楽曲に満ちた新作について聞いた。

 「彩色兼美」は持ち前の洗練されたシティポップ・アルバムに仕上がっている。丸山が「日常(的に)書いてるからストックもいっぱい」と笑いつつ「だからあまり時代性がないというか、普遍的な感じの歌だったならば大丈夫。時代の小道具で分かるようには書かない」と説明する通り、彼女のソングライティングは時代に左右されない。

 とはいえ保守的にもならず、1曲目の「月影」では大好きなドビュッシーの「月の光」を大胆に挿入した。「クラシックは難しくて、何回かトライしたけど違和感が出ちゃうとこがあった。これは自然な感じでした」と冒険に胸を張った。

 歌詞の面では「聴いていていろんな映像とか浮かぶような感じとか、心に染みてくる感じとかを大事にしたい」ということを心がけた。

 ラブソングにも「紆余(うよ)曲折、恋愛のいろんなもの、結婚離婚も経験しつつ(笑い)いろんな自分の人生があってここまで来ているので、一回りして何も経験のなかった頃の自分みたいな気持ちが思い出されていく。そぎ落とされて、そこだけが残る感じがあって。だからすごくピュアな感じも出したいなと思っていました」と、人生経験が反映されている。

 丸山はこれまで、「ホントに信じられなくて、奇跡のような感じがして。あの瞬間はすごかった」という「どうぞこのまま」の大ヒット、結婚、2人の男児の出産、離婚、「一番痛かった」という卵巣嚢腫(良性)など、「山あり谷ありっていう感じの激しい人生。何かとドラマチック」な人生を送ってきた。

 現在は長男のサトウレイ、教え子の穴井裕輔との三世代でライブやレコーディングなどの音楽活動を共にしており、「新鮮なんですよね、意見が世代別で違うので。音楽って面白いので、いろんな刺激をし合いながらやった方がいいものができるのかな」という。

 70代を迎えてなお創作意欲は旺盛で、ライブも精力的に開催している。「基本は変わらない。年代年代で言いたいことがある。歌いたいこともあるし、感じるものは年齢関係ない」という丸山圭子は、「歌える限りは」と、歌い続けることを心に決めている。

 ◇丸山圭子(まるやま・けいこ)1954年5月10日生まれ、埼玉県出身。72年、ニッポン放送主催「VIVA唄の市」優勝。「そっと私は」でアルバムデビュー。76年、シングル「どうぞこのまま」大ヒット。日本有線大賞新人賞。84年、活動休止。96年、再開。00年からヒューマンミュージックカレッジ講師。2009年から洗足学園音楽大学客員教授。山口百恵、岩崎宏美、桜田淳子らに楽曲提供多数。著書に「花望楼」「どうぞこのまま」「丸山圭子・作詞作曲自由自在」。

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