新生CASIOPEA・野呂一生 デビュー46年 新メンバー迎え元の名義に 音色の変化も吉
日本のフュージョンを代表するバンドとしてシーンをけん引してきた「CASIOPEA」(以下カシオペア)が今年、新メンバーにキーボードの安部潤(57)を迎え、バンド名も19年ぶりに「CASIOPEA」に戻して新たなスタートを切った。27日にニューアルバム「TRUE BLUE」をリリースし、30日から3都市ツアーを開催するカシオペアのリーダーでギタリストの野呂一生(68)が、心機一転の理由を明かした。
カシオペアは2012年の再始動から「カシオペア3rd」、22年から「カシオペア-P4」として活動してきた。野呂は名義を元に戻した理由を「3rdとかP4は続、続々みたいな感じがすごくあったんで、もうそういうイメージは一新したいな」と説明した。
きっかけはキーボードの大高清美が昨年いっぱいで脱退したこと。「同じような言語形態が分かっている人で経験豊富なキーボーディストじゃないと、たぶんずっとやってもらうのは無理だろうな」と、旧知の安部に白羽の矢を立てた。
プロデューサー、編曲家、プレイヤーとして多忙な安部だが、中学時代に出待ちをしていたほどのカシオペアキッズとあり、依頼を快諾。3月には新作をレコーディングした。野呂は「安部君のアンサンブルの把握力は素晴らしいんで、そうそうそうっていう感じでやってもらえた。彼はまとめる仕事がすごく多いと思うのでレコーディングで全然衝突がない。それが一番いいなと思ったところ」と振り返る。
5月の初ライブも「全員モチベーションが上がっていたというか、やっていてすごく楽しめてる感じがあった。全員が一つにまとまってる感じのライブだったと思いますね」と手応え十分。
大高のオルガンから安部のピアノになり「面白い展開になってきたと思いましたね。昔からのカシオペアを維持しつつ、新しくなってきたなという感じはありますね」と音色の変化も吉と出た。
新作のタイトルには「本当のもの、みたいなものを感じてもらえたらいいな」との思いを込めた。「SKY SO HIGH」や「EAGLE FLY AROUND」など青空を連想させる曲が入った爽快なアルバムで、ジャケットも鮮やかな青が基調だ。
「このメンバーで再スタートっていう時に、明るいイメージがあった。青空と昼のイメージっていうんですかね。そういう明るいアルバムにしたいなっていう直接的な発想で、本当の青、青空の青という感じでタイトルを考えたんですよ」
リリースを受けて、30日からツアーを行う。2時間超のフルサイズで「アルバムの楽曲を中心に新旧取り混ぜた、え!?これもやっちゃうの!?っていうようなライブになる。ニューアルバムの過半数は網羅してっていうような感じでやろうと思っていますね」と明かす。
デビューから46年、リーダーとしてバンドを運営してきた野呂は、第5期と新作を「新しいスタートになればいいな」と位置づけ、「これからやろうとしていることは、暗い印象はあまりない。ですから本当に明るいものを追求していきたいなという気持ちはあるんですよね」と強調する。
第5期はカシオペアの最終形態になるのだろうか。野呂は「年齢的にもその可能性はありますよね」と笑い、「心機一転という気持ちでやろうとは思ってるけど、どのくらいこのペースが保てるかは、メンバーの皆さん次第っていう感じもありますよね。自分も含めてね」。さらりと答えた。
◇CASIOPEA(カシオペア)1979年デビュー。メインソングライター、リーダーは野呂一生(ギター)。70年代終盤から80年代のフュージョンブームで、シーンを代表するバンドとなる。90年、鳴瀬喜博(ベース)らが加入して第2期カシオペアがスタート。2006年、活動を休止。12年、カシオペア3rdとして再始動。22年、今井義頼(ドラムス)が加入しカシオペア-P4に改名。25年、安部潤(キーボード)が加入しカシオペア名義に戻る。現メンバーは野呂、鳴瀬、安部、今井。
