SKE48井上瑠夏 ついに熊本凱旋公演「勇気届けたい」9年前の地震で被災 「人生で一番泣いた日」も乗り越えアイドルに
SKE48の井上瑠夏(24)が、35枚目シングル「Karma」(9月24日発売)で選抜メンバーに選ばれた。19年の25枚目シングル「FRUSTRATION」以降、選抜メンバーとしてグループの中心に成長し、けん引する覚悟を語った。開催中の「SUMMER Tour 2025」では26日に、これまで2度の中止となった井上の地元・熊本公演(市民会館シアーズホーム夢ホール)が予定されており、開催までの思いを明かした。
秋らしい落ち着いた衣装が穏やかな井上にぴったりだった。新曲は激しい恋愛ソングでSKE48らしいダンスも見せる。「大親友の恋人に抱く禁断の恋愛感情を描いた切ない片思いソング。本当にこんな恋愛する人ってこの世の中にいるのかな?」と笑顔で語り、「かっこいい振り付けをみんなで一つになって踊っているのも、すごくインパクトがある」とアピールした。
今回は前作の12人から16人に選抜メンバーの人数は増えた。ダンスもより集団として高まった完成度が魅力となっている。その上、約10年ぶりのWセンターという体制で6期生・熊崎晴香(28)と8期生・佐藤佳穂(28)が務める。
井上は「同期の佐藤佳穂ちゃんが、Wセンターの1人として選ばれたことが、すごくうれしい。同期として誇りだし、私も頑張らないといけないと刺激になった」と言う。佐藤とはグループについて朝まで語り合う仲で「8期もグループに対して熱い思いを持っている世代。引っ張っていけるような存在にならないといけない」と力を込めた。
26日には念願の熊本での凱旋(がいせん)公演を迎える。「もう想像するだけで楽しみな気持ちもあるし、ちょっとうるっときちゃう。本当に熊本公演をできる日が来るんだ」。SKE48の熊本でのコンサートは16年に熊本地震の影響で、20年にはコロナ禍によって過去2度、中止となっており今回が初開催。開催できることが当たり前ではないからこそ込み上げる思いがあった。
「大好きな街が自然災害によって壊れていくのはつらかった」。16年4月の熊本地震が起きた当時はグループ加入前で井上自身も実際に被災し、避難生活も経験した。「ちょうどアイドルを目指していた時だった」といい、同年11月には合格したSKE48の8期生として名古屋でお披露目された。「自分が熊本から離れてもつらい思いをした方々にアイドルとして元気や笑顔、パワー、勇気を届けたいと思った」。被災した経験がよりアイドルとしてステージで輝くという決意を強固にした。
SKE48加入前は、何度も他のAKB48グループのオーディションを受けた。15年の「第2回AKB48グループ ドラフト会議」では最終候補者となり、合宿にも参加したが最終的には不合格。「私が人生で一番泣いた日だった。もう挫折して、あきらめようかな」。そして「これが最後」と中3で進路を決めるというタイミングで受けたSKE48の8期生として合格を勝ち取った。
熊本から挫折し、悔し涙を流しながらつかんだアイドルの夢でもあった。「この9年間で何度も折れそうになったことがあったけど、自分の心をいつも強くしてくれたのはオーディションに落ちてアイドルになれなかった時の経験があるから。それを思い出すと気持ちは奮い立たされる」と常に前向きの力に変えて進んできた。
今ではグループの中心メンバーへと成長。熊本銘菓として人気の高い「黒糖ドーナツ棒」PR大使などに就任し、昨年発売した初写真集「僕から先に言わせてくれ」は熊本で撮影したというように地元とのつながりを守り続けてきた。「距離は離れているけど、熊本と愛知をつなぐアイドルになりたい。名古屋の魅力を熊本に伝えたいし、熊本の魅力を名古屋の皆さん、SKE48のファンに伝えるというのは自分の使命」と自覚も口にした。
熊本凱旋(がいせん)ライブには両親や兄、友人、中学時代の先生ら恩師も招いている。「大人になった、成長したなと思ってもらいたい。凱旋ライブを見てよかったと。これからもっと応援したいと大満足してもらえるようなコンサートになればいいな」。ついに実現する熊本公演で熱く感謝のパフォーマンスを見せる。
◇井上瑠夏(いのうえ・るか)2001年6月12日生まれ。熊本県出身。16年11月にSKE48の8期生としてお披露目。19年の25枚目シングル「FRUSTRATION」で初選抜メンバーに選出。熊本いきなり団子大使、くまもと大好き大使、熊本ドーナツ棒大使、御飯の友PR大使を務める。身長156センチ。血液型O。
