片岡愛之助 伯父の片岡我當さんを悼む「もっともっと、いろんなお話を聞いておけば良かったな」
歌舞伎役者の片岡愛之助と尾上右近が18日、9月2日初日の京都南座「流白浪燦星(ルパン三世)」(26日まで)の取材会に出席した。
人気アニメを題材に、23年に新橋演舞場で新作歌舞伎として上演された同作。再演へ向け、主人公・流白浪燦星を務める愛之助は「初演はどうなることかと思ってバタバタであけてしまった。反省点も結構ありました。次はこうしたいな、と思ったことはできるだけやりたい」と、意気込みを語った。
初演では尾上松也が務めた石川五右衛門役の右近は「リスペクトも含めて、松也さんの作ったものを踏襲しながら、自分なりのプランを皆さんと話し合っていきたい」と気持ちを込め、一方で「ビジュアルは僕の方が似ていますし、松也さんを踏み台にね」と、笑わせた。
愛之助は5月に逝去していたことが公表された、伯父の片岡我當さんにも言及。「役者としてのあり方、役についての心構え、小さい頃からたくさんのことを伯父には教えていただきました。我當、そして仁左衛門、女形ならうちの父(片岡秀太郎さん)と。それぞれ素晴らしい先生が目の前にいてくださった。すごく恵まれた環境にいたんだ、と改めて思いました」と、神妙な面持ちで語った。
役に詰まるとたびたび相談を持ちかけていたといい、「舞台に出られなくなった後も、病院や自宅に伺ったりお電話でもいろんなことを教えてくださった。『気軽に電話しておいで』と言って下さるので、有意義な時を過ごさせていただいた」と懐かしみつつ、「やっぱりもっともっといてくださったら、もっともっと、いろんなお話を聞いておけば良かったな」と、偉大な師を悼んだ。
