【山田美保子のミホコは見ていた!】NHKから学ぶ“数字を獲れる番宣” 「あさイチ」の朝ドラ受けの進化

 7月期の連続ドラマがスタートし、生ワイドやバラエティ番組での番宣が盛んに行われている。

 近年、平日放送のドラマについては生ワイドでの“電波ジャック”がお約束で、双方のスタッフが入念に打ち合わせをしながらネタを仕込んでいくのだが、これが意外と難しいものなのである。

 最大の理由は、番宣してもらう側と番宣する側の視聴者が一致していないから。放送作家として多くの生ワイドで番宣ゲストの台本を書いてきたが、誰もがチャンネルを留めるようなビッグネームの登場や、既にシリーズとして人気を博している作品でもない限り、番宣コーナーで視聴率の毎分グラフが上がったという記憶はほとんどない。

 そうした中、「もっとも番宣がうまいのではないか」と思うのが「あさイチ」(NHK)である。

 有働由美子と井ノ原快彦がMCを務めていた時代から存在し、有働アナの涙目で始まったこともある、いわゆる“朝ドラ(連続テレビ小説)受け”はどんどん進化。現在の博多華丸・大吉、鈴木奈穂子アナになってからは、ゲストに朝ドラ出演者が多数投入され、「あさイチ」出演は「退場(死亡や失踪、降板など)フラグ」とも言われている。

 果たして15日の「あさイチ」に冒頭から登場したのは、「あんぱん」でのぶ(今田美桜)の同級生・岩男役を演じた濱尾ノリタカ。同日の「あんぱん」で「月刊くじら」編集部の岩清水を好演していた倉悠貴の体調不良により急遽、濱尾に声がかかったのだという。

 鈴木アナが華丸・大吉の双方に似ていると指摘したことから「一人華大」としても知られる濱尾は朝ドラ出演の反響を笑顔で語り、その後も終始楽しそうに「夏の冷やし麺」調理に勤しんでいた。

 金曜日の「プレミアムトーク」を含め、朝ドラと「あさイチ」の関係は良好で濃厚で、ゲストの民放出演作のVTRも流れれば、朝ドラのキャスト以外の俳優へのインタビューも長尺で流れる。放送では映らないが、スタッフ作のウェルカムボードにはゲストにまつわる大量のお宝写真が貼りだされていると聞く。

 朝ドラキャストの生出演はないものの「午後LIVEニュースーン」でも豆知識とも言うべきネタが扱われることもあるし、週末の「土スタ」では「あさイチ」や「~ニュースーン」に似た手法で、BSを含めた全ドラマ枠の内容やキャストの素顔が掘り下げられる。

 NHKによる“数字を獲れる番宣”に民放各局が学ぶべきことは多そうだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス