山尾志桜里氏「完全無所属」で参院選出る 激戦の東京選挙区 国民民主から公認取り消し後2度目の出馬会見
元衆議院議員の山尾志桜里氏(50)が1日、都内の選挙事務所で記者会見を開き、今夏の参院選(3日公示・20日投開票)に、東京選挙区から無所属で立候補することを発表した。直前で公認を取り消された国民民主党に対して「怒りはない」と明かしたが、東京選挙区には国民民主が2人の候補者を立てる予定で、真っ向からケンカを売った形だ。山尾氏は2021年以来の国政復帰に向けて「勝機はある」と自信をのぞかせた。
山尾氏は6月10日の記者会見で着用していた濃紺主体の服装とは対照的な、ライトグレーの明るいジャケット姿で「改めまして、東京選挙区で無所属での出馬を決意しました山尾志桜里です」と、すがすがしい表情であいさつした。
6月までは国民民主党の公認を受けて比例代表での選挙戦を予定していた。だが、同10日に行った記者会見で、過去の疑惑に関する質問に対して「その件についてお話しすることは控えさせてもらいます」などと実質的な回答拒否を連発したことで事態が一変。榛葉賀津也幹事長(58)により、翌11日に公認取り消しが発表された。
異例となる同一選挙での2度目の出馬会見には、直前の呼び込みにもかかわらず40人弱の報道陣が集まり、注目度の高さを伺わせた。公認取り消しを経て再び出馬を決意した理由について「公認取り消しを受けた後、何度も悩んだ。それでも『中道政治』を諦められない気持ちは変わらなかった」と説明した。
公認取り消し発表時にはSNSで「大変残念です」と二千字超の「抗議文」ともとれる文書を公開。記者からは「現在も国民民主党に対する怒りはあるのか」と問いかけられたが、文書の意図について「党に対する怒りはない。改善はしてもらいたいという思い」だとした。国民民主は東京選挙区に元NHKアナウンサーの牛田まゆ氏(40)と会社員の奥村よしひろ氏(31)、2人の公認候補を立てる予定で、真っ向勝負となる。
今回は後援や頼る派閥もなく、「完全に無所属」だという。「勝機はあります」と自信をのぞかせ、「このままで良いのかと懸念を持っている人はたくさんいる。そういう人に主張を訴えていきたい」と意気込んだ。
