フジ株主総会 怒号なき再出発 HD側の新体制案承認 計11人取締役就任 清水専務は“脱日枝”を強調

 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日、東京・有明アリーナで定時株主総会を開いた。元タレント中居正広氏(52)による「性暴力」への不適切な対応から生じた経営の混乱を立て直すため、社長に昇格予定の清水賢治専務ら計11人が取締役に就くとするHD側の新体制案を承認。総会は約4時間半に及び、出席株主数は昨年から約20倍増の3364人となったが、総会は大きく荒れることなく、まずは順調に“再出発”の第一歩を刻んだ。

 1万5000人収容の有明アリーナでの株主総会は雨の中、淡々と進んだ。注目された新任取締役については、フジ側が提出した11人ですんなり決定。対立する大株主の米投資ファンドが出した独自の役員案は投票を行うこともなく否決され。新体制は無風のまま承認された。

 紛糾必至かと思われた総会だったが、大きな混乱はなく、最後まで粛々と進行された。冒頭では、中居氏のトラブルに端を発する一連の問題を受け、金光修社長が「フジテレビで皆さまにご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりおわびします。申し訳ありません」と謝罪。新体制でのコンプライアンス重視を改めて約束したという。

 4時間半という異例の長さの中、議長を務めた金光社長への不信任動議が出るなど、会場内が異様な雰囲気となる場面もあった。それでも出席した株主は「怒号が飛ぶとかもなかった。今、特に注目されているから特別なことはなく、去年と変わらない印象です」と語るなど、議事進行に影響が出る場面はなかった。

 株主からは、今回の総会で取締役相談役から正式に退任した日枝久氏の影響力についての質問も出た。40年以上にわたって会社経営の要職にあった同氏について、清水専務は「新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」と“脱日枝”を強調した。

 実業家の堀江貴文氏(52)も株主として出席。20年前にはフジテレビの筆頭株主のニッポン放送株を35%以上買うなどニッポン放送を通じてフジテレビの経営権を狙った因縁がある。総会後には取材に応じ「普通来るんだけどね、今日で退任するんだからね」と日枝氏に触れつつ「(新社長の)清水さんはちゃんとした人だった。すごいよくなる可能性は出てきたのかなと思います」と新たな体制に期待を込めた。

 新取締役は清水氏を除く10人が新任。ファミリーマート前社長の沢田貴司氏ら社外取締役が過半の6人となった。総会では、特定の人物に権限が集中しないよう相談役制度を廃止する議案なども可決された。

 出席株主数は昨年の162人に対し、今年は3364人と20倍増。総会所要時間に関しても昨年の110分に対し、今年は268分。50人が51件(動議4件)の質問を経営陣へ投げた。主な質問内容は、改革アクションプラン、役員選任などについてだった。

 どん底からの再出発へ、株主からの一定の信任を得ることには成功した。一方で、多数離れたCMスポンサーの“復活”は不透明な状態。さらに、騒動中に局員のオンラインカジノ利用が発覚し、逮捕者も出ている状況からしても、視聴者の信頼回復に向けては、まだまだ険しい道が残っている。

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