フジ・メディア・ホールディングスは２５日、東京・フジテレビで、株主総会後に会見を行った。

　日枝久氏の退職金が支給されることついての質問がなされ、清水賢治社長は「ＦＭＨ、フジテレビでは、退職金慰労金制度というものは２００８年に廃止している。２００８年に廃止した時に株主総会の決議で退職慰労金の廃止、それまで勤めていた人たちへの支給が決議されている。よって今は決議された物がいつ実行されているかという状態とご理解下さい。私どもとしては今回の事案の第三者委員会の報告書を踏まえ、各取締役の責任について独立した監査役が弁護士を雇って調査し、判断しました。その判断から責任については港元社長と大多元専務とご報告を受けている。過去の総会決議を否定するだけの法的根拠はない。よって今はそのような形で退職慰労金については実行される」と語った。トータルで退職金はいくらとなるのかという質問については「個別の退職金の開示については明かしていない」とした。

　日枝氏はこの日の株主総会に出席せず。株主総会に向けた日枝氏とのやりとりは特になかったという。今後、退任となった日枝氏が発言する可能性について「一個人としてこれだけ長く業界でやってこられた方が去るにあたって、個人としてのコメントがあってもいいのかもしれない。個人としての判断になると思います」と答えた。

　日枝氏の功績について「１９８０年代のフジテレビの躍進は日枝氏のおかげ。『楽しくなければテレビじゃない』というスローガンのもとに果たした役割は多かった。当時のテレビ文化の中で制作者側が作り出した物ではなく、視聴者が見たいものが良いと当時理解した。画期的な民主化だと思いました」とたたえつつ、「ここに至るまでの間で、その言葉を曲解した人たちが出てきてしまった。会社として生まれ変わるためには脱却しないといけない」と改めて決意を示した。