【ヤマヒロのぴかッと金曜日】期待するだけムダ!?与党も野党も“ダメだこりゃ”

 いつもそれほど期待はしてないのだが、それでも、たとえ1ミリでも前に進めば少しは風通しのよい暮らしになるのかな…。そんな思いで政治の世界を眺めてはいるのだが、大抵裏切られる。

 選挙が近づくと、露骨で生々しく、計算高い政治の姿があぶり出されるので、今の状況をちょっとここらで確認しておきたい。

 評判が悪くて一度やめたはずなのに、やっぱり自民党は、バラマキを参院選の公約にするという。消費税だけは1ミリも下げたくないが、何か目玉が欲しいので給付をするのだと。給付(=公の機関などが金品や便宜を支給する。与えること)という言葉は間違いだと、何度言っても正さない。取りすぎた税金を国民に返すだけなのに、あたかも自分たちがカネを分け与えるように振る舞いたいのか。こういうことを臆面もなくやれるのが自民党。

 そして、これまで食料品の消費減税を公約の柱にしていた公明党は、状況を見てサッと取り下げ、店じまい。元々この党は、与党にしがみつくだけが仕事のようにしか見えないのでハナから期待はしていないが、やることが分かりやす過ぎる。

 一方の野党はどうか。消費減税を公約に掲げようとしているのだから、政治の醍醐味(だいごみ)はこういう時に野党がどれだけ力を発揮するかなのだが…。

 「そんなものでごまかされるものか」と一斉に『給付』批判するかと思ったら、アラ、みんな様子見するんだ!!忘れてないか?自公政権は現在、衆議院で半数に満たないのだよ。だから石破政権は、昨年から主要野党の顔色をうかがいながら個別に握手して、実はたいした戦果にもならない高校授業料の無償化や、103万の壁、骨抜きの年金法案でそれぞれ野党に花を持たせただけ。これすべて自民党の作戦通り。

 予算を成立させ、コメ問題で得点を稼いだらあとは強気強気。内閣不信任案を野党に可決してもらったら衆議院を解散して同一選に持ち込み、一気に過半数を得ようと手ぐすね引いて待っている。その術中にハマりたくないから内閣不信任案を出さない、いや出せない。これで、野党と言えるだろうか?

 立憲も国民も維新も言い訳ばかり。今の野党は「政権を取る」ってポーズだけなんだ。互いに相手の出方ばかり見て、ロクに汗もかかずにけん制し合い、本気で候補者調整もしない。

 立憲の小沢一郎総合選挙対策本部長代行が「(不信任案を)出すべき。石破政権ではダメだ。われわれにやらせろというのが普通の論理だろ」と言ったそうだがまさにその通り。いや正直なところ、小沢さんからすれば「お子ちゃま連中にはできっこない」という意味での当てこすりなんだろうな。はっきり言っておこう。「野党の腹がすわらない、コレ与党を利するのみ」。

 現勢を、1993年の非自民連立政権と比較する政治評論家がいるが、似て非なるもの。あの頃の永田町を連日取材した私の目から見れば、政権奪取にかける熱量、根回し、何より政治家としての器、すべてにおいて今と比べるべくもない。野党がこれほどまでにだらしないのだから。石破さんラッキーだねー。(元関西テレビアナウンサー)

 ◆山本浩之(やまもと・ひろゆき) 1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は家庭菜園、ギターなど。

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