橋幸夫 復帰コンサート、歌詞を忘れるもファンの後押しで熱唱 終演後に宮城県からのコメも配る
先月31日に一過性脳虚血発作で救急搬送され、8日に退院した歌手の橋幸夫(82)が11日、滋賀県近江八幡市で行われた「夢グループ20周年記念コンサート」で復活のステージに立った。橋は「こんにちは、橋幸夫です」とファンに挨拶。「潮来笠」「霧氷」「絆」の3曲を熱唱し、元気な姿を見せた。
中等度のアルツハイマー型認知症を公表している橋は、ステージ袖から中央に向かう足取りもどこか弱々しい。しかし、マイクを持つと大ヒット曲「潮来笠」を披露。のびやかな声で会場を埋めた約600人のファンを沸かせた。2曲目もヒット曲「霧氷」。中盤になると歌詞を忘れたのか、「皆さん、歌っていいんですよ」とトークを始めた。励ますようなファンの細い歌声がゆっくりとうねりになり、橋はそれにつられて再びマイクを口元に運び、最後まで歌いあげた。夢グループの石田重広社長は「昨日、おとといは笑顔がなかった。とても歌えるような状況ではなかった。橋さんはすごい」と本番力に驚嘆した。
終演後には宮城県石巻を中心とした農家30軒から夢グループに届いたお米を販売。「東日本大震災のときに助けていただいた全国の方にお礼も込めて米不足のいま、会場にいらっしゃったお客様に」との思いが込められ、新米の一等米600キロを1袋2キロに小分けし、約300袋を1000円(税込)で販売。橋も車いすに座ってファンとふれあった。