タレントの鈴木美智子さんが１２日に老衰のため、大阪府内で死去したことが１３日、分かった。所属する吉本興業が発表した。満８５歳。通夜・告別式は遺族の意向により、近親者のみにて執り行う予定。

　鈴木さんは１９３９年８月２８日生まれ。大阪府大阪市出身。６３年、西日本初のサテライトスタジオ「ラジオ京都　高島屋サテライトスタジオ」でマイクキャリアをスタートさせ、ＭＢＳラジオ「ありがとう浜村淳です」「ヤングタウン」、ＡＢＣラジオ「米朝・美智子のほろ宵ばなし」など数多くの番組に出演した。

　中でも「ありがとう浜村淳です」は、７６年から１７年にわたりアシスタントを務め、軽快なトークでリスナーを魅了した。

　また、場をスムーズに進行する力に定評があった司会のほか、都々逸を交えての放談、趣味の能、清元、小唄（名取名　堀小陽美智）など、さまざまな分野で活躍。２００２年からは「声のプロ」を育成するアナ・トーク学院学院長として活動し、１０００人を超える卒業生を輩出。民放テレビ局のアナウンサーをはじめ、司会者、声優、落語家など幅広いジャンルの人材育成に尽力した。

　０６年には上方落語の定席「天満天神繁昌亭」の活性化に貢献するため、赤い人力車を寄贈。近年は年に数回、朗読劇「美智子の語り」を企画・演出し、自らも朗読家として出演。１８年には、長年の地域社会への貢献が認められ、「平成３０年度　第５３回　大阪市民表彰」を受賞した。

　２４年９月、「美智子の語り」の劇中に脳出血を発症し、大阪府内の施設でリハビリに励む中での逝去となった。