【山田美保子のミホコは見ていた!】「ダウンタウンDX」には有終の美を飾ってほしい

 「ダウンタウンDX」(読売テレビ・日本テレビ系)が6月26日をもって終了するとの発表があった。スタートは1993年10月だから約32年の歴史に幕が下ろされるわけだ。

 ダウンタウンの冠番組なのに松本人志は昨年1月から、浜田雅功は今年3月から居なくなった。現在は、千鳥やかまいたち、ロンドンブーツ1号2号の田村淳らがMC台にある卓上ベルを浜田がどのタイミングで鳴らしていたのかを始め、探り探りで代役を務めている。

 最終回が決まっているドラマはその日に向けてキャストやスタッフが一丸となって頑張り、バラエティー番組は一日でも長く続けられるように同じく出演者やスタッフらが高視聴率獲得を目指すというのは有名な話である。この文脈で言うと、「ダウンタウンDX」ほど継続させるために前向きなリニューアルを重ね続けた番組を筆者は知らない。

 大物ゲストを招いて松本と浜田の三人でトークを披露するメイン企画から始まって、クイズ番組時代もあったし、「国民投票」というゲーム性の高い企画もあった。

 視聴者からのゲストにまつわるタレコミを検証する「視聴者は見た!」は名物コーナーだし、投稿を受け付ける「小トスポ」は各地の商業施設などに設置されたのを含め、他番組にずいぶん真似されたものである。

 トータル金額でランキングする「スターの私服」は度々トレンドを発信したし、時折出てくる叶姉妹のドレスやアクセサリー、レアなエルメスのバッグなどを見るのも楽しみだった。また最強運ランキングでは自分の星座と血液型がどの有名人と同じで、今年は何位なのかと目を凝らした。

 MCやスタッフのタイプにもよるが、番組を立ち上げた際の企画や内容を「変えない」ことが「正しい」とする者は意外にも多く、当然それはマンネリ化し、視聴者にも飽きられ、終了に繋がる。

 だが「ダウンタウンDX」は常に軽やかに大胆にリニューアルを重ねてきた。そこにはダウンタウンの魅力と面白さを知り尽くし、二人と話ができ、ブレーンとしても支えた高須光聖氏、木村祐一氏、前述の「トスポ」の声も担当する倉本美津留氏ら担当放送作家の存在がある。同業者の端くれとして、「ダウンタウンDX」を32年も支えた皆さんを心から尊敬する。

 終了理由は最近よく目にする「総合的な判断の結果」だそうだが、「ダウンタウンDX」らしい終わり方を彼らはきっと考えてくれているはずだ。有終の美を飾ってほしい。

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