それぞれに圧倒的な人気を誇るお笑いコンビ・千鳥とかまいたち。この２組の共演は、昨今のテレビ界において“鉄板”のタッグとなっている。２組がＭＣを務め、土曜深夜に放送されていた日本テレビ系「千鳥かまいたちアワー」が、「千鳥かまいたちゴールデンアワー」（２３日スタート。水曜、後８・００）として、文字通りゴールデン帯に進出する。２組セットのレギュラーは現状３番組。需要が高まり続ける中で、今の仕事量と、働き方について４人が率直な思いを吐露。中でも千鳥・大悟（４５）は、意外すぎる野望を明かした。

　大阪吉本時代に出会ってから約１８年。気付けば２組そろって第一線を走り、テレビで見ない日はない存在になった。フジテレビ系「火曜は全力！華大さんと千鳥くん」、同局系「千鳥の鬼レンチャン」といった人気番組でも共演しており、需要の上昇が止まらない。

　千鳥・ノブ（４５）はその自覚も大いにあるようで「やっぱ、どの番組も好評で。終わらないね、２組集まれば」とドヤ顔。「ＴＶｅｒもすごい（再生数が）回るから、結局終わらせられないんですよ」と誇らしげに続け、大悟も「なんでこんなにオモロくなるんやろっていうのがある。まだそこだけ明確な答えが見つかってない」とすまし顔で豪語した。

　先輩の大胆発言に、かまいたち・濱家隆一（４１）は「一個間違えたら全部終わりますよ？」とツッコミを入れつつ、「本当にわれわれは千鳥さんにおんぶに抱っこ」と謙遜。山内健司（４４）は、前述の２番組を引き合いに「やっと番組名に『かまいたち』の名前が入る。おかしくないですか？」とボヤき、念願の「看板番組」へ力を込めた。

　現在千鳥は１３本、かまいたちは１６本ものレギュラーを抱えている。多忙を極める今だからこその働き方や、将来の展望には四者四様のビジョンがあった。

　濱家は「芸人は求められないと成立しない仕事」とし「まだセーブする段階ではない」と即答。「どっちみち倒れるなら前のめりに」と続けると、山内も過去最高レギュラー本数が１８だったことに触れ「２０を目標にしたけど１回タッチだけしたい。その後はどうでも良い」とさらなる多忙もいとわない姿勢を見せた。

　一方でノブは「体力的にはマジで逆」とし、「早くギュッと、単価を上げたい」と吐露した。今の働き方を「多分人間じゃない」と自己分析。「毎日朝起きて１時間ぐらいしたら（テレビで）『さあ始まりました！』って言ってる自分が怖くて。異常行動をたまたまできてるだけ。そのうちガタが来ると思う」と、ＭＣ業が多い故の本音を語り、顔をゆがめた。

　そんな相方とは対照的に、大悟は「僕まだ『２４時間テレビ』走ってないんで」とぽつり。取材場がざわついた中、ノブが「司会したいんじゃないんや」と聞くと「ううん、走りたい」と即答。まさかの「チャリティーマラソンランナー」への野望を明かした。

　さらに仕事量については「その時期になったら多少減らすでしょうね。こういうのって冗談みたいに言ってたら本当になる」と淡々と回答。力の入れようにノブは「専念するん？そんなんじゃないであれ」とツッコミつつ「いや良いんじゃない？」と前向きだった。

　新番組は、まだ世の中にあまり知られていない有名人の魅力を発掘するバラエティーショー。ノブは番組でやりたいことを「日テレでできるか、阪神タイガース特集。禁断だと思うけど」と提案。すかさず濱家が「阪神ファンでしたっけ？」と反応するなど、取材場では何度も即興漫才が繰り広げられ、笑いが絶えなかった。

　多忙すぎる４人は、さらに走るのか、前のめりに倒れるのか…。それはさておき、ひとたび集えば笑いが巻き起こり、お茶の間がそれを求めている。その流れはまだまだ続いていきそうだ。

　◇千鳥（ちどり）２０００年７月、高校の同級生だった大悟（だいご＝１９８０年３月２５日、岡山県笠岡市北木島生まれ）と、ノブ（１９７９年１２月３０日、岡山県井原市生まれ）で結成。０４年「ＡＢＣお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞。０５年、０７年「ＮＨＫ上方漫才コンテスト」優秀賞受賞。ノブは０８年に高校の同級生と、大吾は１０年に一般女性と結婚。ともに２児のパパ。

　◇かまいたち　２００４年５月、ＮＳＣ大阪校２６期生で同期だった山内健司（やまうち・けんじ＝１９８１年１月１７日、島根県生まれ）と、濱家隆一（はまいえ・りゅういち＝１９８３年１１月６日、大阪府大阪市生まれ）で結成。旧コンビ名は「鎌鼬」。０９年４月にひらがなに変更。１７年「キングオブコント」優勝。１９年「Ｍ－１グランプリ」準優勝。２１年「上方漫才大賞」大賞受賞など、受賞歴多数。ともに１７年に一般女性と結婚、２児のパパ。