藤井聡太棋王 3連勝防衛で歴代5位タイのタイトル通算27期 番勝負通算100勝で脅威の勝率8割超
将棋の藤井聡太棋王七冠(22=竜王・名人・王位・王座・王将・棋聖の七冠)が2日、新潟市の新潟グランドホテルで指された第50期棋王戦五番勝負第3局で、挑戦者の増田康宏八段(27)に120手で勝利。3連勝で棋王位を防衛した。この勝利で、史上7人目のタイトル戦番勝負通算100勝を達成。またタイトル通算は27期となり、谷川浩司十七世名人(62)と並んで歴代5位タイとなった。
大一番となった一戦は藤井棋王の先手番で始まり、戦型は得意の角換わりとなった。だが96手で千日手が成立。先後を入れ替えた指し直し局では、矢倉模様の増田八段に雁木で対抗した。中盤までは互角のねじり合いが続き、ギリギリの終盤戦に。それでも藤井棋王は落ち着いた指し回しで徐々にリードを拡大すると、最後は一気に増田玉に迫り、即詰みに討ち取った。
これで棋王戦3連覇となり、タイトルは通算27期に。憧れの存在だった谷川九段に肩を並べた。また、タイトル戦番勝負での通算100勝も達成。100勝24敗1持将棋で勝率は脅威の・806。番勝負での最高勝率を誇る羽生善治九段でも414勝253敗2持将棋の・621だけに、圧倒的な高勝率を誇っている。
終局後、藤井棋王は指し直し局について飛車を取ったあたりはだいぶ薄い形で、寄せられてしまってもまったくおかしくはないと思っていて、そのあたりは勝負に行く感じで指していました」と回顧。3連勝での防衛に「かなり際どい将棋の連続だったので、あまり実感はないんですけど、ひとつ結果を残せたことはうれしく思います」と淡々と話した。
感想戦後には会見し、タイトル通算27期で歴代5位タイとなったことに「谷川十七世名人は私にとっては憧れの方でもありますので、記録の上で今回並ぶことができたというのは光栄なことだと感じています」と回答。番勝負通算100勝については「少し前に(その時点で)99勝だと聞いたことがあったと思います」と笑いつつ、「そちらについても、そんなに…という気持ちが強い感じがします。タイトル戦でいろいろ貴重な経験をできたかなと感じてますし、それをこれからもしっかりと生かして取り組んでいけたらいいなと思います」と、これまで通り淡々と話した。
対局中や感想戦ではせき込むような場面も見られたが、体調については「少しせきが出るような症状が続いているんですけど、少しずつ良くなっているとは思いますし、本局は対局に影響はなく集中できたと思います」と問題がないことを強調した。
