シンガー・ソングライター（以下ＳＳＷ）の松任谷由実（７１）が６日、新潟・苗場プリンスホテルブリザーディウムで、冬恒例のリゾートコンサート「ＳＵＲＦ＆ＳＮＯＷ」の初日を迎えた。１９８１年にスタートし、今年で通算４５回目を迎えた風物詩。今季最強寒波とともに苗場に龍来したユーミンが“ピアノガール”に変身し、極寒リゾートを熱くさせた。

　節目の今年は原点回帰を掲げ、往年のＳＳＷの代名詞だったピアノを主役にステージを組んだ。ユーミン自身をはじめ、キャロル・キング、ビリー・ジョエル、矢野顕子ら、ピアノのイメージが強いＳＳＷは多い。

　苗場でのピアノを弾いてのパフォーマンスは１３年ぶりで「デビューの頃はピアノの弾き語りばかりだった。ピアノを前に座っていると、どうしてもデビューの頃を思い出しちゃう。泣きっぱなしで一曲も歌えなかったことがある」と笑った。

　その苗場からは、二大ニュースも飛び込んできた。４０枚目となるオリジナルアルバムの今秋発売が決定。最先端技術「Ｃｈｒｏｎｏ　Ｒｅｃｏｒｄｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ」を用いて、荒井由実時代の歌声と現在の歌声を合成し、自身の永遠のテーマである「時間とは何か？」を追求する。時間を超越した新たな音楽を鋭意制作中で「世界でまだ誰もやっていないチャレンジ。ＡＩと生身のハイブリッドなアルバムになるはず」と予告した。

　同作を引っさげ、７２公演を巡る全国ホールツアーも開催決定。前々から「７０歳で７０本のツアーがしたい」と話しており、アルバムリリースやスケジュールが合致し、７２歳を迎えるタイミングで７２公演に挑むことに決めた。「できるのか半信半疑だったけど、近づいてきたらいけちゃうなって。小さな努力の積み重ねだけが、とんでもないところに連れて行ってくれるｂｙイチロー」と名言を借り、意欲を燃やした。

　苗場公演は８日間で１万８００人を動員予定。初日から「ひこうき雲」「ＢＬＩＺＺＡＲＤ」など熱量たっぷりの全２４曲のステージで、ロケットスタートを切った。