北野武監督「実験的な」最新作配信へ「自分の映画自体のキャリアを壊す」

 北野武監督が5日、都内で行われた、最新作でAmazon Original映画「Broken Rage」の配信記者会見に浅野忠信、大森南朋らと出席した。同作は240以上の国や地域で14日より配信開始される。

 “キタノ組常連の俳優陣”が登壇。同作は世界中で称賛を浴び続けている北野氏が監督、脚本、主演を務め「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作した。第81回ベネチア国際映画祭には正式出品され、北野監督は「お茶の間で見る映画はどういうものか悩みまして、かなり実験的な映画をやらせてもらおうと思った。ありがたくやらせていただきました」と語った。

 ただ、ベネチア映画祭では会場に向かうボートに乗った際に頭をぶつけたといい「頭をぶつけてしまって(映画祭の)記憶がないんですよ。病院に行って脳を調べてもらって、治っていますとは言われた。恥ずかしい話ですけど」とエピソードを披露して笑いも誘った。

 ストーリーは約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションで、後半は前半と同じ物語をセルフパロディーという手法を使ってコメディータッチで描き出した。

 北野監督の代表作には「アウトレイジ」があるが、今回のタイトルは「Broken Rage」とした。関連性については「おかげさまで『アウトレイジ』はそれなりの成功を収めたので暴力映画としては、自分なりに昔のヤクザ映画じゃない現代的な撮り方で撮った。それに対するパロディーという意味もあって、それを『Broken』するという意味も含めて、自分の映画自体のキャリアを壊すという意味でタイトルをつけた。あまり深い意味はないです」と込めた思いを明かした。

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