【フジ会見ルポ】ルール無視、高圧的、演説、ヤジなど無法地帯…厳しく問われる記者の質 笑顔消えて硬い表情の社員たち

 元タレントの中居正広氏(52)と女性とのトラブルを巡り、週刊誌がフジテレビ社員の関与を報じた問題で、同局の港浩一社長と嘉納修治会長が辞任を表明した記者会見は約10時間23分という記録的な長時間に及んだ。会見は大荒れとなり、トラブルの事実関係や事後対応、フジサンケイグループ代表、同局の取締役相談役で欠席した日枝久氏に関する質問が相次いだが、出席者が言いよどむ場面が目立った

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 会見では広報局の社員を中心に、社員がマイクランナーを始めとする進行を担当した。普段は明るくエネルギッシュで気さくに接してくれる社員たちも、笑顔が消えて硬い表情。会見対応で慌ただしく動く姿もあれば、会場の端で経営陣の方を不安そうにじっと見つめる姿もあった。

 17日の会見は参加媒体が限定された上、港氏が「回答を差し控える」という言葉を30回以上も連発して大炎上。この日は“決まり文句”は激減させ、自らの言葉で答えたが、端的に回答できない場面や発言撤回の場面も目立ち、後手後手の印象が先行した。

 質問者が「あなた方(幹部)がこういうことをしでかしたおかげで、おそらくフジテレビは希望退職になるでしょう」と同局の未来を占うと、思わずうつむく社員もいた。失墜した信頼をいち早く取り戻し、社員が誇れるような新たな会社作りが求められている。

 一方で、考えさせられたのは取材側の姿勢だ。

 400人超もの報道陣が詰めかけただけに、質問は1回につき2問までとされたが、ルール無視で何回も質問する人、高圧的に質問する人、長々と“演説”したり自分語りする人、質問中にヤジる者が目立った。同じような質問が相次ぎ、論点が脱線。怒号で質問は遮られ、進行にも影響が出た。まさに“無法地帯”だった。

 ネット上では「公開いじめ」「集団リンチ」「公開処刑」などと質問する側に非難の声が相次ぎ、フジテレビ側に同情が集まるなど、記者の質も厳しく問われる会見となった。報道機関として真実追究のために厳しい目を向けるのはもちろんのこと、冷静な姿勢で核心に迫ることが必要だと改めて思わされた、長い長い一日だった。(デイリースポーツ取材班)

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