結成52年「ザ・ぼんち」THE SECOND出場 ギラつく大ベテラン 若手と同じ土俵でやりたい【インタビュー前編】

 漫才ブームをリードしたレジェンド「ザ・ぼんち」のぼんちおさむ(左)と里見まさとが新たな挑戦に挑む(撮影・石井剣太郎)
 漫才ブームをリードしたレジェンド「ザ・ぼんち」のぼんちおさむ(左)と里見まさとが新たな挑戦に挑む(撮影・石井剣太郎)
 笑顔を交えて新たな挑戦を語るぼんちおさむ(撮影・石井剣太郎)
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 結成52年のベテラン漫才コンビ「ザ・ぼんち」が、結成16年以上の漫才ナンバーワン決定戦「THE SECOND~漫才トーナメント~」に初出場する。初戦の「大阪選考会」はYES THEATERで13日。1980年代の熱狂的な「漫才ブーム」を引っ張ったレジェンド・ぼんちおさむ(71)と里見まさと(71)が、若手と肩を並べて賞レースに挑む原動力を語った。【インタビュー前編】

  ◇ ◇  ◇

 一時代を築いた大ベテランが、ギラギラと青い炎を燃やしている。

 80年、フジテレビのネタ番組「THE MANZAI」でブレークし、81年のレコード「恋のぼんちシート」が80万枚の大ヒット。異例の日本武道館ライブも成功させた2人をTHE SECOND出場へと突き動かしたのは、昨年と今年、大宮や幕張、福岡など若手中心の劇場に出演した体験だった。

 おさむ「行ったら若手ばっかりで、僕らにしたらアウェイ。若手の中にもまれて、お客さんも僕らのこと知らん人ばっかりやから、ハラハラドキドキしながら。でも、それはそれで楽しかった」。

 まさと「あの圧というか、彼らの熱に、そこへ入っとかな損やなというぐらいの気持ちに(なった)。彼らを見ていて、同じ土俵でやりたいとほんまに思わしてくれました」。

 THE SECONDに向けてネタを磨く姿に刺激を受け、まさとは約1年前から出場を意識。「出るにあたって、『いつもやってる漫才ですやん』では策がなさすぎる。皆さん、まさしくザ・セカンドで出てきてはるわけですから、我々も年齢に関係なく、そのようにして何かを作って出なくては」と、セカンドチャンスを目指す漫才師と対峙(たいじ)するための策を考えていたという。

 同じ頃、単独ライブに向け、23~26歳頃の「世の中に出ていきたい」と思っていた当時の漫才のリメークネタを作っていたことも決断を後押し。今年1月5日にまさとが決心し、相談を受けたおさむも「いてまえ」と出場を決めた。

 おさむは「今やらんとあかんと思うんです。やりたいことは後に置いといてもしゃあない。今年72(歳)ですからね。そんなにたくさんチャンスが巡ってくるわけやないし」。「漫才ブームの20~30代の青春があるけど、今は70代の青春。青春できる間は青春しとかんとね」と活力をみなぎらせている。

 大ベテランの参戦が1月17日に明らかになると、後輩漫才師たちがザワついた。ザ・ぼんちと親しい「金属バット」(結成17年)から「花をつむ気ですか」と聞かれたというまさとは、「『いいえ、どんな花か見に行くんです』と言った」とニヤリ。おさむは「金属バット、すごいですよ。見た目はガラ悪いけどネタはしっかりしてて、しゃべりもしっかりして、ネタも本数ある」と大絶賛した。

 THE SECONDでのライバルは金属バットなのか…?まさとは「『ライバルは金属バット』と活字にしてくれはるんやったらわれわれはいいですけど、向こうが勘弁してくれって」笑い飛ばし、若手との仲の良さをのぞかせていた。

 ◇ザ・ぼんち ぼんちおさむ(1952年12月16日生まれ、大阪市出身)と里見まさと(52年4月25日生まれ、兵庫県出身)のコンビ。1972年10月に結成し、80年、フジテレビ系「THE MANZAI」で大ブレーク。ヘリコプターで移動するほど多忙になった。86年にコンビ解散、02年に再結成。上方漫才大賞(1981年)などを獲得。今年3月9日には若手時代のネタをリメークした漫才などを披露する「ザ・ぼんち単独ライブ~バック・トゥ・ザ・ネタ~」ツアーの最終公演を愛知県「万松寺 のぶながホール」で開催する。

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