潜伏ホテル予約時間帯が「計画」か「突発」の分岐点か?横浜ラーメン店主殺害、小川泰平氏が解説
横浜市のラーメン店で店長の大橋弘輝さん(33)が血を流して倒れ死亡した事件で、神奈川県警は殺人容疑で、同じ店の従業員で親族の大橋昭仁容疑者(35)を17日に逮捕した。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は18日、デイリースポーツの取材に対し、逮捕された容疑者の行動から垣間見えた心理などについて解説した。
県警によると、大橋容疑者は15日に店内で大橋さんを刃物で刺殺した疑い。死因は失血死で、複数の刺し傷があったという。
小川氏は「事件現場店は(京浜急行や横浜市営地下鉄の)上大岡駅から徒歩1、2分の場所にあり、地元でも人気のラーメン店でした。親族である容疑者は被害者より2歳上で、夜の部の責任者であり、営業面の方針を巡ってトラブルがあったのではないかとみられますが、状況を見ると、上半身を中心に複数刺されているということから考えても、強い殺意があったといえる」と指摘した。
大橋容疑者は事件後、逃亡した末に名古屋市内のホテルで見つかり、逮捕された。
小川氏は「事件翌日には容疑者が判明したという情報が出ていましたので、現場付近の防犯カメラ等で容疑者は特定されていたと思います。また、名古屋まで行った際も携帯電話やサイトの通信履歴や閲覧履歴、また位置情報等から判明したのではと思います」と説明した。
その上で、同氏は「ただ、(潜伏先の)ホテルの予約が犯行前であれば計画性があったとも考えられるが、犯行後時間を置いて予約したとすれば、事件そのものは突発的に起きた可能性もある。その辺は今後の取り調べで分かってくると思います」と付け加えた。
大橋容疑者は任意同行の際にマスクを外してテレビカメラの方を向いた行動が注目されている。
小川氏は「警察署に任意同行で連れてこられて、メディアのカメラがあるのが分かっていながらマスクを外して、そのままの姿をさらしたということからしても、本人なりの言い分があるのではないか。少し笑みのようなものも浮かべているくらいですから、何か一言、もの申したいくらいの思いがあるのではないか」と推測した。
また、同氏は「映像を見る限り、私が見た感じだと頭を丸坊主にしているのですが、後頭部がキチンと刈られてなく、自分で刈ったのではないかと思うような刈り方であったのが気になりました。変装のつもりで、丸坊主にした可能性もあるのではないか」とも付け加えた。
今後の捜査ポイントについて、小川氏は「動機の面です。親族の関係である2人の間でのトラブルなど、取り調べで明らかになるでしょう」と補足した。
