坂元裕二氏脚本の「怪物」がカンヌで脚本賞「夢かと思った」是枝裕和監督明かす
フランスで開催された第76回カンヌ国際映画祭で現地時間27日、授賞式が行われ、坂元裕二氏が脚本を担当した「怪物」(是枝裕和監督)も脚本賞を受賞した。日本映画では2021年(第74回)の濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」以来2年ぶりの脚本賞。是枝作品では22年「ベイビー・ブローカー」(最優秀男優賞)に続き2年連続のカンヌコンペ部門での受賞となった。
是枝監督が壇上で「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します」と喜びいっぱい。2018年12月、坂元氏から脚本のプロットを受け取った時を回顧した。
「そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました」
その後、現地メディアの中継で、是枝監督は受賞後すぐに坂元氏に報告したことを明かし、坂元氏から「夢かと思った。たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びの声が寄せられたことを伝えた。
