【気象予報士・天達武史コラム】いよいよ冬将軍始動 でも北極圏では温暖化が深刻です
今年は暦通り12月から列島に寒気襲来!20℃以上のポカポカ陽気から一転、冬の冷たい空気に入れ替わりました。
ラニーニャ現象が発生しており日本列島は「寒冬」傾向。とくに1月を中心に厳しい寒さが続きそうです。東・西日本にも寒気が流れ込みやすく、日本海側中心にドカ雪による車の立往生が心配です。無理のない計画をして年末年始お過ごしください。
さて、寒さの日本記録って何℃くらいか知ってますか?冷凍庫がマイナス20℃くらいですが、もっとずっと低いんです。
答えは1902年1月25日に北海道旭川で記録したマイナス41℃です。
どんな寒さか?実は私一度だけ経験したことがあるんです。
もう10年以上前ですが、シベリアのサハ共和国という世界一寒い町を取材したときにマイナス40℃を下回りました。
もう寒いというか痛くて、グローブみたいな手袋をしていても指先を動かしていないと、かじかんでくる。さらにフェイスマスクをしていないと顔が凍傷になっちゃうんです。
さらにマイナス40℃の中、お湯を注いだカップラーメンの麺を箸に絡めて持ち上げるとあっという間に凍ってしまい、そのままカップラーメンのオブジェができちゃう。
魚市場なんか鮮度関係なしです。魚をそのへんに置いておけば勝手に凍るのでみんなフランスパンみたいに立てかけて売ってるんですよ。
ただ、温暖化とは無縁のようで実は最近のシベリアは真夏に40℃近くまで上がるんです。プラス40℃ですよ。1年の寒暖差がなんと80℃。
この影響で永久凍土が溶けてきてしまってるんです。夏場は湿地帯みたいになってCO2の25倍も温室効果のあるメタンガスが大気中に放出され新しいウイルスが出てきていると言われています。
北極圏は寒そうに見えて実は日本より温暖化が深刻です。
◆天達武史(あまたつ・たけし)1975年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。2002年に気象予報士試験に合格。05年10月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ!」、21年3月から「めざまし8」のお天気を担当。