坂本龍一「この形式は最後かも」12・11ピアノ・ソロ・コンサート配信 がん闘病中
音楽家の坂本龍一(70)が12月11日に「最後になるかもしれない」というピアノ・ソロ・コンサートを配信することが24日、分かった。9月中旬に収録され、約60分間。がん闘病中の坂本は「この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と胸中を打ち明けた。
坂本は3月26日、「東北ユースオーケストラ」演奏会に登場して女優・吉永小百合(77)と共演したが、ピアノ・ソロ・コンサートは無観客で生配信した20年12月12日以来、2年ぶりとなる。
昨年1月に直腸がんの手術を受けたことを公表。今年6月には文芸誌「新潮」7月号で病状が「ステージ4」で、両肺に転移したがん摘出手術を昨年10、12月に受けたことなどを告白した。今回のコンサートを行うにあたり「ライヴでコンサートをやりきる体力がない」と説明。現実を受け入れての新たな方法となったようだ。
撮影は自身が「日本で一番いいスタジオ」と評する東京・NHK放送センターの「509スタジオ」で行われた。今回のコンサートに新たなコンテンツを加えた“映画”公開も構想段階にあるといい、米ニューヨークから招集して結成された映画制作チームと1日に数曲、丁寧に時間をかけて演奏、収録した。
21日には米映画「アフター・ヤン」のオリジナルテーマ曲「After Yang Main Theme-solo」を配信リリースするなど音楽への情熱は衰えておらず、作曲や創作活動は継続予定。12月11日は、希代の音楽家の“覚悟”が顕現する。