人間国宝の歌舞伎俳優・澤村田之助さんが肺炎のため死去 89歳 横審委員も務める

 人間国宝の歌舞伎俳優・澤村田之助(さわむら・たのすけ、本名・山中宗雄=やまなか・むねお)さんが23日、東京都内の病院で肺炎のため亡くなったことが25日分かった。89歳。東京都出身。葬儀・告別式は家族葬で執り行う。喪主は妻の山中忍さん。

 1932年に、五代目澤村田之助さんの長男として誕生。1941年、四代目澤村由次郎を名乗り、3月歌舞伎座「伽羅先代萩」の鶴千代役などで初舞台踏んだ。

 64年の4月歌舞伎座「神霊矢口渡」のお舟、「仮名手本忠臣蔵 九段目」の小浪、「頼朝の死」の小周防で、六代目澤村田之助を襲名。七代目尾上梅幸や六代目中村歌右衛門の薫陶を受け、女方として品格と風格のある芸を披露、後年は、さらに二枚目立役、老け役まで幅広く演じた。最後の舞台は2014年の5月歌舞伎「矢の根」の曽我十郎だった。

 1996年に芸術選奨文部大臣賞、97年に紫綬褒章、2001年に日本芸術院賞、02年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に各個認定された。

 また、03~13年には日本相撲協会横綱審議委員会委員にも就任した。13年に旭日小綬章受賞。

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