24歳男性 「ネットカジノで全部使った」山口県阿武町 誤給付4630万円
山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金計4630万円を誤って町内の男性(24)に振り込み、返還を求めている問題で、男性が「金は海外のインターネットカジノ数社で全部使った」と説明していることが17日、関係者への取材で分かった。
男性の代理人弁護士は16日の記者会見で、男性が振込金を使ってしまい、返還が困難な状況だと明らかにしていた。男性は代理人に対し、スマートフォンを操作し振込金を使ったと説明。男性は4、5月に計2回、県警の任意聴取を受けたという。
男性は1人暮らし。代理人は、第三者の関与はないとの見方も示した。
給付金は1世帯当たり10万円。町は住民税非課税の463世帯に10万円ずつを振り込み、いったん正規の手続きを終えた。しかしその後、町職員が「勘違い」して、名簿の一番上にあった男性の名前と4630万円の金額が記載された振込依頼書を金融機関に提出。4月8日に全額が男性の口座に振り込まれた。
町は返還を求めて男性を相手取り、山口地裁萩支部に今月12日に提訴した。弁護士費用などを含め5100万円余りの支払いを求めている。
◆ネットカジノとは パソコンやスマートフォンを使ってオンラインによってカジノで遊ぶことができるゲームサービス。「オンラインカジノ」とも呼ばれる。実際に金銭をかけることができる。海外で国が発行する運営許可証を取得しているものを利用しているが、合法かは議論がある。また24時間プレーが可能で、クレジットカードによる入金が簡単なため、ギャンブル依存の危険性が高いことも指摘されている。