ロシア外相「ヒトラーにユダヤ人の血」で手塚治虫氏「アドルフに告ぐ」注目

 ロシアのラブロフ外相が1日、ヒトラーに「ユダヤ人の血が流れている」と発言、これを受けて、手塚治虫さんの作品「アドルフに告ぐ」にも注目が集まった。

 ラブロフ外相はイタリアのテレビとのインタビューで、ユダヤ人を弾圧したヒトラーにユダヤ人の血が流れているという見解を語った。侵攻を続けるウクライナに対して「ナチスだ」という主張を繰り返しており、ウクライナのゼレンスキー大統領について「ユダヤ系だからといって、ウクライナでのナチスの存在が否定されるわけではない」などとした。ユダヤ人の血が流れているヒトラーが、ユダヤ人弾圧をしたのだから、ユダヤ系のゼレンスキー大統領が同じ思想であってもおかしくないという主張。これには、イスラエルを筆頭に世界で反発が高まっている。

 ネットではラブロフ外相の発言について「『アドルフに告ぐ』読みすぎでしょ」「そんなネタの手塚治虫の『アドルフに告ぐ』という重い漫画がありましたね…。」「まるきり手塚治虫の『アドルフに告ぐ』じゃん 現実が漫画の世界に取り込まれたのか?」というコメントが見られた。

 「アドルフに告ぐ」とは1983年から85年に連載された、手塚治虫さんの晩年の大作。第2次世界大戦前後の日本、ドイツを舞台に「ヒトラーがユダヤ人の血を引く」ことの証拠といわれる文書をめぐって、「アドルフ」という名の2人の人物が翻弄される物語。86年度の「第10回講談社漫画賞」で一般部門を受賞した。

 当時からあった「ヒトラーがユダヤ人の血を引いている」という説が“ネタ元”となっているとされる。ただ、実際にはその説はすでに否定されているという。

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