防衛ジャーナリストが自衛隊に「火事場泥棒」発言 元司令官「許せません」

 防衛ジャーナリストの半田滋氏が27日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、防衛予算について「火事場泥棒」とコメントした。元自衛艦隊司令官の香田洋二氏はすぐに「許せません」と反撃能力を発動させた。

 安全保障に関する自民党提言の中で防衛費について「GDP比2%以上を念頭にする」という案が出てきた。2021年度はGDP比1・09%となっている。ロシアのウクライナ侵攻で防衛に対する意識が変わってくるタイミングでの提言。香田氏は「この時期に『反撃能力』(敵基地攻撃能力の言い換え)と2%。問い詰めれば根拠なき2%と言っていいと思うんですけど、自民党がこのタイミングで出すというのが政治的な戦略が欠けていたかな」と苦言を呈した。一方で「予算を配分した時に、何%が適切かということは政府と自民党は建設的な意味として(話し合いを)やるべきだと思う」と現実的な議論の必要性も説いた。

 ここで半田氏は「『反撃能力』っていう言い方と今回のウクライナ侵攻が重なって見えるわけですよね。しかも突然GDPの2%を出したわけですから、ウクライナ侵攻に乗じて今まで実現できなかったことを一気呵成(かせい)にやっていこうと、言葉は悪いですが火事場泥棒のような印象を国民に与えかねない」と厳しく批判した。

 香田氏は「『火事場泥棒』というのは自衛隊に対して非情に失礼な言い方ですね」と反論。おだやかな口調ではあったが、自衛官、記者として半田氏とは旧知の間柄でもあるとした上で「これは許せません」と明言した。「『たまに撃つ、弾がないのが、玉にきず』。これなんですよ。今までは最低限の中で切り詰めて、やってきてるんです。今やっておかないとウクライナみたいになってからでは遅いんです」と必死で任務を果たそうとしている自衛官の心を代弁した。

 半田氏は「『火事場泥棒』っていうのは、提言をした自民党に対して言ってるんです」と恐縮しながら説明。しかし、香田氏は「それは(自衛隊に)掛かってきますから」と厳しい目線を投げかけた。

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