牛丼チェーン「吉野家」の常務が社外で行った社会人向け講座で不適切な発言をしたとして１８日、同社が謝罪した。若者を狙ったマーケティング戦略で「生娘がシャブ漬けになるような企画」と発言していたと明らかにした。

　問題発言があったのは１６日の早稲田大主催の講座で、常務は「デジタル時代のマーケティング」をテーマに講師を務めた。常務は「不適切な表現で不愉快な思いをする方がいたら申し訳ない」と前置きし、若者を牛丼好きにするための方法を提案させようとして「地方から出てきた生娘さんが、初めて（吉野家を）利用して、そのままシャブ漬けになるような企画」と狙いを語ったという。

　講座参加者とみられる人物が不適切発言への憤りをＳＮＳで投稿し、ネット上で批判が殺到するなど問題となっていた。「男に高い飯を奢ってもらえるようになれば絶対に食べない」といった発言もあったという。

　吉野家は公式サイトにお詫びの文面を掲載。講座内での発言を「極めて不適切であり、人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではありません」と断罪した。本人も発言を反省し、翌日に書面で主催者に反省と謝罪を伝え、今後対面で謝罪する予定という。

　吉野家は「当人への処分を含め厳正に対応を進めてまいります」と処分の方針を示した。

　早稲田大学は「性差別・人権侵害にあたる不適切な発言」があったことを認め「再発防止に努める」とコメント。公式サイトでは「講座担当から直ちに降りていただきます」と明らかにした。講義後には責任者が受講者にお詫びをしたという。

　吉野家は１９日に都内で「親子丼」の新ＣＭ発表会を開催予定だったが、不適切発言を受けて急きょ中止とすることを発表した。