日大前理事長・田中英寿被告 懲役1年求刑 検察「身勝手で利欲的な犯行」
取引業者から受け取ったリベートなど計約1億1800万円を税務申告せず、計約5200万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われた日本大学前理事長の田中英寿被告(75)の東京地裁の公判で、検察側は7日、「身勝手で利欲的な犯行だ」として懲役1年、罰金1600万円を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は29日。田中被告は最終意見陳述で、日大の学生や保護者に対し「無用な不安を抱かせ、深く反省している」と謝罪した。
検察側は論告で、被告は、いずれも背任罪で起訴された元日大理事井ノ口忠男被告(64)や、医療法人前理事長籔本雅巳被告(61)らから受け取った多額の現金を隠すために犯行に及んだとし「脱税額は高額で結果は重大だ」と指摘。その上で「わが国有数の規模である大学の理事長という立場を利用し、社会的影響も軽視できない」と非難した。
