濱口監督「信じられない」米アカデミー賞4部門候補「アジア映画への見方が変わって来ている」

 「ドライブ・マイ・カー」が第94回米アカデミー賞(発表・授賞式は3月27日=日本時間28日=米ロサンゼルス)に作品賞、脚色賞、監督賞、国際長編映画賞の計4部門でノミネートされた濱口竜介監督(43)が9日、オンラインで会見を開いた。第72回ベルリン国際映画祭に審査員として参加するため渡独中の同監督。「夢の世界と自分がつながっているのが信じられない」などと率直に喜びを語った。

 ドイツに降り立って吉報を受け取ったという濱口監督。冷静な表情、口ぶりの中に喜びがにじんだ。「ただただ夢の舞台という感覚。ハリウッドは夢の工場みたいなところ。夢の世界と自分がつながっているのが信じられない」と実感が湧かない様子。最重要の作品賞などでも候補に入ったことに、「すごい歴史の中に自分がいるんだなと感じています」と明かした。

 本作は村上春樹氏の同名短編小説が原作。妻を亡くした舞台俳優で演出家の主人公(西島秀俊)が、演劇祭のため訪れた広島で専属運転手になった女性(三浦透子)と出会い、自身の悲しみを見つめ直す姿を描く。昨年7月のカンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞など海外映画賞を多数獲得し、世界に旋風を起こしている。

 ノミネートの快挙を「選ぶ側が何かしら変わってきている」と冷静に分析。2年前に韓国映画「パラサイト 半地下の家族」がアジア映画初の作品賞を受賞。昨年もアジア勢の躍進が目立った。「アジア映画への見方が変わってきている。そういう変化の恩恵を受けている感覚はある」と受け止めた。

 授賞式は「スピルバーグ監督など自分が映画を見始めたころから仕事をされている方もいる。その場にいることを単純に楽しみたい」と笑顔。村上氏や俳優陣、スタッフに感謝を示し「(俳優の演技を)素晴らしいと感じていた自分たちの感覚は間違っていなかった。みんなと授賞式に行って、この仕事が自分たちにとって大きな成果になったことを喜びたい」と胸を躍らせた。

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